1991年の設立以来,高い技術力とビジネスデザイン力を武器にさまざまな分野へ事業を拡大する株式会社ジール。
“情熱,熱意”を意味する社名に違わず情熱的にグループを牽引する卒業生,山本秀典氏にインタビューした。
―学生時代のエピソードなど教えてください。
コンピュータの分野に進路を決めたきっかけはほぼ偶然です。「これからの時代,コンピュータを身につけた方がいいだろうな」とふと思ったんですね。もともと文系人間だったので,1年目はそれこそ必死で勉強しました。岡山から京都に出てきて一人暮らしを始めて,生活の仕方もガラッと変わりましたし,授業で学ぶことの一つひとつが新鮮だったので,あっという間に時間が過ぎるような感じがしました。2年目になると少し余裕ができて,興味のある事柄を自分で調べたりするのを楽しんでましたね。コンピュータ,パソコンで何ができるのか,ということに興味がありました。ハードウェアの実習でハンダごてを握ったり,プログラムの勉強をしたり,色々なことに驚きが多かったので全く飽きませんでしたね。現在もそうかも知れませんが,講師の先生の中には京都大学の大学院生が多く,その中の1人の先生に「統計学」をマンツーマンで教えていただいたのが印象に残っています。データを「情報」として見る,という発想を得ることができたのはこの先生のおかげかも知れません。
―起業されたきっかけは何だったのですか。
KCGを卒業後,ソフトウェア開発会社で4年間勤務しました。当時,「これからはオープン化の時代が来る!」と言われていて,私もKCGで学んだことをもっともっと究めようと意気込んでいました。起業したのは,やはり自分なりのスタンスで仕事をしていきたい,と思ったからです。“ZEAL”という社名は,「偏狭的な情熱」という意味ですが,情熱を唯一絶対の資産とみなして体ひとつで頑張っていこう,という思いの表れでもあります。
今でこそDWH(Data Ware House)が注目されていますが,起業した当時から,データベースを軸にしたアプリケーション,ソフトウェアの必要性を強く感じていました。膨大な量のデータを持っていても,それらをうまく活用するためのツールがないと宝の持ち腐れになってしまうんですね。重要なのはデータを使いこなすことであって,コンピュータはデータを捌く道具なんです。そういった意味で,「データベースマーケティング」をどのように進めていくかが初期の課題でした。例としては,地図情報と販売物件のデータを基に,不動産会社のエリアマーケティングをしたこともあります。得意としているのは,企業活動の中枢であるデータ資産を活用した意思決定支援システムの開発です。ビジネスレベルで考えたときに,お客様のビジネス・業務内容をいかに理解するかが重要だと考えています。やはり,経営戦略の立案等に携わらせていただくからには,適確なソリューションを確実に提案できなくてはいけません。そこまで信頼していただけるだけの技術力・提案力を持ち続け,ブラッシュアップしていくことが不可欠と考えています。
―御社のビジョンについて,お聞かせください。
グループビジョンとして,「ITで経営をデザインする」を掲げています。設立当初から高い技術力と同時にITによるビジネスデザインの力をつけることを旨としてきました。
ビジネスコンサルティングやマーケティングを手がけていますが,我々がITから出てしまうことは有り得ない。そこはITのプロ,エンジニアとしてのプライドのようなものがあります。あくまでIT,技術に立脚した上でお客様のビジネスを理解する,というスタンスは崩さないつもりです。やはり「コンピュータで何ができるか」というテーマに戻るんですね。技術をいかに有効利用するかを徹底追及します。
事業を発展させていくことはもちろん,心意気としてはBI(Business Intelligence)の分野で世界に名の知れるよう存在になれるよう,量と質の拡大を目指していきます。そのためにはやはり,敏感であり続けること,お客様のニーズに沿い続けることでしょうね。
―オフィスの雰囲気もとても明るいですね。
そうですね。社員に対しても,あまり堅苦しいことは言わず,自分のスキルアップを図りながら新しい発想で仕事に取り組んでもらいたいと考えています。また,会社のビジョン・目標を共有するために,コミュニケーションを大事にしていますね。私自身,話すことが好きなので,社内会議のときなどいつも熱い調子で語ってしまうのですが,自分の思いや信念を他人に伝えることが非常に大切な業界だと思っています。そして,先ほども言いましたが,常に新しい情報に敏感であること。若手社員の間では「社長は飽きっぽい」ということになっているみたいですが,飽きているわけではなく(笑),いろいろな情報を次々に吸収していこうと日ごろから意識しています。
1991 オープンシステム系の設計開発を事業ドメインとして設立
1995 ネットワークインテグレーションを新たに区分し事業拡大
1998 事業領域の拡大を目指し,ビジネスインテリジェンス(BI)インテグレーションサービスを開始
1999 DWHコンポーネントを自社開発しDWHエクスポにて発表
2000 Webコンポーネントの自社開発に着手,ITコンサルティングサービスを開始
2001 e-CRMソリューション「Net Produce」発表
2003 経営戦略実行ソリューション「myNavigator」発表
2004 株式会社BI戦略研究所との協業による次段階のソリューション展開を目指し Zeal Groupを発足