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Accumu Vol.6

ペルーへ向けてパソコン出発

1994年度京都コンピュータ学院創立記念祭

平安建都1200年記念対ペルー共和国

コンピュータ教育交流オープニングセレモニー

1989年,タイ王国支援を皮切りに始まった学院の海外コンピュータ教育支援活動は,今年で5年目となる。

手探りで始まったこの活動も,ますます充実し,国の内外から多くの期待と信頼が寄せられている。

それは,外務省の外郭団体であるJICAから学院に海外の研修生が派遣されるようになったことでもわかる。

今年度はサウジアラビアから,そしてタイから研修生が2名ずつ派遣されて来ている。

また,新聞でご覧になった方もいるかもしれないが,昨年10月ポーランド,ワルシャワに開校された「ポーランド日本情報大学」は,本学院の対ポーランド支援が大きく花開いた結果である。

現在この大学には学院からJICAを通じて東保教員が派遣され,大学の礎づくりに尽力している。

フジモリペルー大統領のめいのイリアナ・フジモリ氏。今回の交流をとりもった
フジモリペルー大統領のめいのイリアナ・フジモリ氏。
今回の交流をとりもった

さて,平安建都1200年に当たる1994年は,南米の西海岸にあるペルー共和国への支援を行うこととなり,7月20日『1994年度京都コンピュータ学院創立記念祭 平安建都1200年記念対ペルー共和国コンピュータ教育交流オープニングセレモニー』が行われた。

セレモニーでは,長谷川靖子学院長が「学院は京都大学の宇宙物理学を研究していた若手天文学者達によって創始されたが,実はその先輩に当たる京都大学の天文学者達がペルーに望遠鏡を寄贈して天文台を作り,さらに天文学の指導をしたという経緯があり,以前からペルーには親近感を抱いていた。今回こうした交流が始まることをとてもうれしく思っている」と挨拶し,駐日ペルー共和国大使に代わってセレモニーに出席された公使ファン・カルロス・カプニヤイ氏に寄贈パソコンのリスト及び支援内容等を記した目録を手渡した。

セレモニーには,フジモリペルー大統領のめいで,今回の交流をとりもったイリアナ・フジモリ氏も駆けつけ「ペルーは京都と同じようにとても歴史の古い国だが,大学が少なく大学に行く経済的なゆとりのある者もあまりいない。ペルーの若者達は『コンピュータ』ということばは知っていても実際に見たり触れたりしたことのない者がほとんどで,コンピュータが何に役立つかも知らない者の方が多い。だから今回の学院のパソコン寄贈がとてもうれしい」と感謝のことばを述べた。

学院長とファン・カルロス・カプニヤイ氏によるテープカット
学院長とファン・カルロス・カプニヤイ氏によるテープカット

セレモニー終了後,学院京都駅前校の駐車場で,詰めかけた学院生や報道陣の見守る中,パソコンを積んだトラックを前に長谷川靖子学院長とファン・カルロス・カプニヤイ氏によりテープがカットされ,パソコン搬出が祝された。

送られたパソコンは約1ヵ月後ペルー大統領府に到着し,そこから高校,短大などの教育機関に配置される。その後,学院のスタッフが現地へ行き,現地でコンピュータ教育を担当する教員に操作法や教育法などを指導する予定である。またペルーの教育関係者15~20人を学院に招き,講習会を開催することになっている。

31年前,情報化時代の到来を予見して,民間から次代を担える人材を育成する運動を起こさねばならない,として始まった学院の事業は,こうした形でも,着実に実を結んでいる。

次の支援対象国はインドネシア共和国の予定である。