さる11月27日午前,本学院創立25周年記念式典の会場,京都国際会議場の受付に繰込んだ校友会会員諸君の眼に,いい知れぬ明るさと期待感がただよっていると見たのは私の僻目でしょうか。
卒業年次の早い遅いにかかわらず,諸君は母校が創立から四半世紀の歴史を刻んだと聞かれた時,きっとそれぞれに,なにがしかの感動を抱かれたに違いありますまい。本学院は出発の時からすでに発展の方向を約束されていました。そして,その約束通り,着実に充実,発展してきました。しかし,それは楽々と歩んだ道ではありません。幾多の試練を克服しながら今日に至ったのです。そのことは,式典における,長谷川靖子学院長の式辞や来賓各位の祝辞の中から諸君が十分に感得されたところだと思います。諸君はそれぞれ在学時代を憶い起こし,その当時と今日の本学院の整備ぶりとを比較して,必ずや向上の跡の大きいことを認識されたのではありませんか。
今,本学院は新たな飛躍を求められています。経済社会の進展,国際環境の複雑化などを背景とした情報処理技術の格段の進歩に対応して,明日を担う技術者への養成がいよいよ大きな課題となってきましたので,斯界の先頭を走り続けてきた本学院の責務は,極めて重くなってきたといえます。この飛躍のための一つとして,アメリカのボストンに学舎を設置するという大きな企画が実現したことも,長谷川学院長のことばで理解いただけたことでしょう。
諸君の母校は前進を続けています。25年の歴史を生かし,今後の展開を実り多いものにするために,学院一丸となって奮闘しています。諸君の母校に寄せる気持ちが,安心と期待に満ち,同時にそれが諸君自らの自信や誇りとなるように,そして諸君がどこに出ても,胸を張って京都コンピュータ学院出身であると名乗ってもらえるようにしたいと念願しています。 当日の午後,同じ会議場内のイベントホールでの校友会大会に出席した人々は,全国各地からその数およそ1800名。アベックや子連れの方もありましたが,互いに「朋友遠方より来る」の歓びと懐旧の情にひたって,満堂に陽気がただよいました。クラスメート同志,クラブ員同志,そして母校の教職員を囲んで共感を分かちあっている場面がそこここに見られました。
幸い,来賓の会社,企業からも,本学院への信頼と協力のしるしとして,抽選用賞品が多数寄贈されましたので,その抽選には一段と興味関心が寄せられました。ご期待の特賞「ボストン行航空券」は誰の手に帰したことでしたか。 この盛会を見るまでの準備や運営に携わった役員方の労苦は,実に並々ならぬものがありました。しかし,大方の諸君は盛り上がった雰囲気の中で,このことに思い及ぶことは少なかったのではありませんか。校友会が生まれてから初めての大会。その感動の陰にあって裏方に徹した方々のことを思い,次の大会,そして他地方でも開催されるだろう大会の時には,新しい裏方が,もっとたくさん出現することを願わずにはいられません。
参会の諸君はきっと,来てよかった,出席できてよかったと満足して帰られたことでしょう。ただ,当日参会できなかった諸君の上に思いを馳せ,是非次回は一緒に会おうと呼びかけるとともに,「校友会および校友会会員が健在である限り,いつまでも京都コンピュータ学院は健在である」と語り伝えてもらいたいと思います。ご機嫌よう。
上記の肩書・経歴等はアキューム20号発刊当時のものです。