世界初のノート型PC開発に携わった元東芝専務の溝口哲也氏は,KCGが進めているコンピュータ博物館建設構想に理解を示され,活動の顧問として尽力していただくことになった。溝口氏はコンピュータ博物館建設の意義として「古いものから歴史をたどると必ず,未来を暗示するものが見出される。『過去』とは,もう終わってしまったというものではありません。得る物がたくさんあるはずです」と語る。
また,京都の地においてこの構想が進められていることについて「古くから京都はエキサイティングなところ。幕末においても,現在の日本をつくり出した場所でもある」とし「ユニークな企業が数多く,コンピュータとのつながりも深い。博物館をつくるのにはまさに適地と言えるでしょう」と強調。「日本のコンピュータ教育機関の先駆けであるKCGがこの活動に取り組まれていることは,大変喜ばしいことです」と語る。
さらに「コンピュータ博物館は教育施設としても役立てていくべき。子どもの理科離れが指摘される中,博物館で子どもたちの興味をひくようなイベントやパソコン教室を,博物館とKCGが一体となって企画,実施していけば,大変有意義なことです。『人財』を育てる場にしていただきたい」と話す。
一方,昨今の技術開発に関する政府の対応については「資源が少ない日本だからこそ技術立国となった。研究開発は一度途切れると,またイチからやり直しになってしまうようなところがある。技術開発にムダということはあり得ない」と疑問を投げ掛ける。
上記の肩書・経歴等はアキューム18号発刊当時のものです。