京都コンピュータ学院による対タイ情報教育振興事業の実行に要する費用は,国際交流資金とチャリティコンサートの収益で賄われた。
まずチャリティコンサートが大阪ザ・シンフォニーホールと京都府民ホールで催され,その収益がパソコン輸送費用と講師派遣費用に充てられた。またタイ教員の京都留学費用に関して,日本万国博覧会記念協会(大阪府吹田市)より交付金による援助がなされた。
1990年10月9日,東京都渋谷区・東急文化村オーチャードホールで,来日したタイ教員を迎えてチャリティコンサートが催された。タイ・ベネフィット・ガラと銘打たれたこのコンサートは,ソリストに浦川宜也氏,指揮に小林研一郎氏をお迎えし,東京交響楽団によりブラームス,ラヴェルなどの名曲が演奏された。
会場はプロジェクトの趣旨に賛同された多くの方々で満員の盛況ぶりをみせた。また,このコンサートのためにタイ国からティエンチャイ文部大臣が来日され挨拶をされた。日本のコンピュータ技術に深い関心を寄せられる大臣は,その日の午後,京都コンピュータ学院の招待で東京大学大型計算機センターを見学された後,そのままコンサート会場に駆けつけてくださった。またコンサート終了後会場の全員にタイ文部省よりプレゼントが配布され国際親善の雰囲気が盛り上がった。