高い理念に基づいての京都マンガ・アニメ学会の力強い設立宣言,うれしく,心強く感じています。この京都の地で,次代を担う素晴らしい人材を育てていくことが,我々の役割であるとの認識を新たにしています。
京都には,1200年を超える悠久の歴史があります。しかし京都は,決して過去を大事にだけしてきたわけではありません。単なる「古い都」ではないのです。常に,歴史と伝統を大切にしながら,同時に新たな挑戦をしてきました。そして新たな人材を次々と育ててもきました。京都は,芸術と文化,学問,そしてものづくりの街であります。明治維新の後には,京都が東洋のハリウッドと言われていたほどです。
今日,「京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)」が盛大に開催されています。40年あまり前に,京都精華大学が日本で最初のマンガクラスを設置しました。7年前には,京都国際マンガミュージアムを開設しました。京まふが花開いたのは,様々な先人たちの決断と行動の賜であります。
京都コンピュータ学院は50年前に,京都大学の研究者らの要請を受けて,コンピュータの技術者を育てなければならないとの志を抱き,創立されました。10年前には,専門学校が土台になって,日本で初めてのIT専門職大学院の創立に挑戦をされ,京都情報大学院大学は,今では,日本でトップレベルの活躍をしていると評価されています。このように,京都では,未来を見据えた挑戦が続いています。その流れを受け継ぎ,京都マンガ・アニメ学会が創設されるということは,必ず,新しい歴史を開いていくことにつながると確信しています。
学会関係者にぜひお願いしたいのは,世界を視野に,しっかりとしたネットワークを構築し,あらゆるマンガ・アニメなどのコンテンツ産業を融合させる,大きな土俵をつくっていただきたいということです。その土俵に,どんどん若い人を呼び込んでいくのと同時に,日本ならではの,京都ならではの哲学,あるいは素晴らしい文化,芸術を融合させていく。世界の人々と交流して世界の平和と人々の幸せに貢献できる。そんな学会に発展させていただきたいと考えています。私を含め,京都市も力の限り応援していきます。
京都でマンガ・アニメといったコンテンツを学びたいと思われている方は数多いでしょう。この京都の地を中心にしたネットワークが広がっていくことを願ってやみません。