KCGに事務局がある一般社団法人 京都府情報産業協会(会長:長谷川亘 京都コンピュータ学院・京都情報大学院大学 統括理事長)の平成27年度府民セミナー(京都府中小企業技術センター・KCGグループ共催,公益財団法人 京都産業21・財団法人 京都高度技術研究所・公益財団 京都高度技術研究所・京都商工会議所・ITコンソーシアム京都後援)は2015年6月23日,KCG京都駅前校6階ホールで開かれ,伊藤忠テクノソリューションズ株式会社のITビジネスアナリスト大元隆志氏が「IoT/ビッグデータによる時代の変化と新たなビジネス化の潮流」と題して話した。同協会会員やKCG,KCGIの学生,一般の人たちが聴講した。
大元氏はテーマとして,ウェアラブルやIoT(Internet of Things=モノのインターネット)といった”新IT領域“が次々と出現する中,「SIer(情報システム構築において戦略立案,企画,設計,開発,運用などをする人)がいかに仕事を獲得していくか」を掲げた。企業を取材したり,開発を担当したりした経験をもとに自らの考えを披露。「新IT領域では,顧客の概念を形にし,システム要件化する能力がSIerには求められている」としながらも「流行に惑わされることなく,まず経営者がなすべきことは,顧客の声を聞くということ」と強調した。
「自分たちが何を提供できるのかを見失わないことが大事」と前置きし,新ITを展開するうえでの仕事の流れとして ▽自社の顧客基盤を見直し売り上げ,利益から重要な上位10社をリストアップする ▽リストアップした企業にインタビューする。「最近の新ITについてどう思うか」「新IT領域で自社に期待するところは何か」「自社にとっての競合企業はどこと考えるか」など ▽競合として挙がった企業の最近の取り組みについて調査する ▽顧客の期待に対して自社が提供できる価値を考える-と列挙した。また,「S・W・O・T分析など机上でやっている時代ではない。そのような時間があったら顧客のところへ足を運び,汗をかくべき」「協業を積極化するのが大切」「公共事業を新IT育成の場にする手法は有力」などと話した。