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Accumu Vol.22-23

KCGチームがマイクロソフト学生ITコンテスト Imagine Cup 日本大会で優勝

KCGチームがマイクロソフト学生ITコンテスト Imagine Cup 日本大会で優勝!

Imagine Cupとは

Imaɡine Cupはマイクロソフト社を創立したビルゲイツ氏の発案で2003年に始まった学生向けのITコンテストで国際競争力のあるIT人材育成を目的としています2013年大会には180を超える国と地域から40万人以上が参加しました

大会の応募方法は毎年異なりますここ数年は「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」をテーマにすることが必須でしたが2013年大会では次の三つの部門が設けられましたWindows 8やWindows Azureをはじめとするマイクロソフトの最新テクノロジーを利用した学生ならではの作品であることが条件となります

ゲーム部門みんなを夢中にさせる楽しくてオリジナル性のあるゲーム
イノベーション部門技術革新をもたらすアプリ又はソリューション
ワールドシチズンシップ部門誰かの人生を変えるようなアプリ又はソリューション

KCGの米山哲平さんとリーチェスターさんが日本大会優勝

2013年4月7日(日)に日本マイクロソフト株式会社品川本社で行われた日本大会の競技部門にはファイナリストとして6チームが参加それぞれ20分間のプレゼンテーションを行い作品の革新性品質などが審査されました

京都コンピュータ学院(KCG)からはチーム“Project N”が出場イノベーション部門でエントリーし作品名は『Knowall Library 5.0』これはKCG AWARDS 2013で最優秀賞を受賞した作品でもあります2D3Dに関わらずアクションゲームやシューティングゲームが作成できる汎用ゲームフレームワークライブラリですゲーム開発用のプログラムに精通していなくてもライブラリを活用しゲーム作成のほとんどの作業がGUI操作で可能になるという優れもの

さて日本大会ではその完成度の高さは審査員を感心させましたメインプログラマの米山さんが「ゲームを作りたい」からという理由で中学生のころから一人で作り始め7年かけて作り上げた成果ですここ数年はリーチェスターさんのアドバイスでユーザインターフェイスまわりを改良し使い勝手を良くしたことが日本大会での高評価につながったものと思われます

世界大会までのトレーニング

4月から7月の大会直前まではプレゼンテーションのブラッシュアップと英語のトレーニングが行われましたリーチェスターさんがマレーシア人で英語がネイティブなため英語自体で苦労しなくても発表用に英語をブラッシュアップすることは重要であるため特別訓練を行いましたまたマイクロソフトディベロップメント社においても実際の開発者の目から発表の不明瞭な部分の指摘を行っていただきました

ロシアの世界大会で

世界大会はロシアのサンクトペテルブルグで行われました日程は以下のようにじっくりと行われました

7月8日(月) 歓迎レセプション
9日(火) プレゼンテーション
審査
10日(水) ハンズオン審査(デモ審査)
11日(木) 表彰式
12日(金) 帰国

一日目はとにかくプレゼンテーションの最終仕上げと部屋の確認などを行いました飛行機での長時間の移動だったのでリーチェスターさんがエコノミー症候群にかかるというトラブルにもかかわらず何とか一日目を乗り切り夕食にはロシア料理をいただきました(写真3)

二日目はプレゼンテーション発表審査員はスカイプ社のエンジニアをはじめとした錚々たるメンバーでした事前の十分な準備と練習のおかげでプレゼンテーションとその後の質疑応答はスムーズに終わりました(写真4)

三日目はデモブースで実際にハンズオン審査(デモ審査)が行われました前日の審査員が入れ替わり立ち代わりやって来て実際に動作するかをチェックします真剣な面持ちで審査が行われました空いている時間には我々のチームの審査員以外の方も見に来ました特に「テトリス」の発明者であるアレクセイパジトノフ氏がやって来たときは一同もりあがりました(写真5)

四日目はいよいよ最終日アレクサンドリンスキー劇場で行われた表彰式のオープニングではCG映像と組み合わせた現代的なバレエを鑑賞しましたそしていよいよ結果発表ですが日本代表のKCGチームは入賞できませんでしたグローバルな問題を解決するという点では若干の不足があったのだと感じましたしかしアレクサンドリンスキー劇場の館長がなんと彼らに会いに来たのですCGとバレエの組み合わせに莫大な手間とコストがかかるのでKnowall Libraryを使えないかという打診でした見る人は見ています

最後に

とにかく創立50周年という節目の年に本学の学生が世界のひのき舞台でソフトウェアの成果物をアピールできたことは大変うれしく思えます

Imaɡine Cupは規模が大きくなっているためか予選の方法などが年によって異なります今後参加を考える学生さんはいろいろな情報に気をつけて探してみましょう

KCGチームがマイクロソフト学生ITコンテスト Imagine Cup 日本大会で優勝!
1 マイクロソフトディベロップメント株式会社代表取締役社長の加治佐俊一氏(左)
から日本大会の優勝カップと副賞を受け取りガッツポーズする米山哲平さん(中央)
とChester Lee Chin Zhen(リーチェスター)さん(右)
2 世界大会会場のサインボード前でポーズを決める2人
3 日本チーム左から江見リーチェスター米山KCGの豊嶋先生日本マイクロソフトの中村まどか氏渡辺弘之氏
4 世界大会でのプレゼンテーション審査
5日本代表チームのブースでアレクセイパジトノフ氏と日本の国旗には歴代の日本代表メンバーのサインが書かれており歴代チームの魂がこもっている
6表彰式会場となったアレクサンドリンスキー劇場
参考サイト日本大会MM
[1] Imagine Cup(イマジンカップ) | アカデミック ポータル
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/hh455216.aspx
[2] マイクロソフトの学生向けITコンテスト『Imagine Cup』日本大会が開催
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/137/137825/
参考サイト等世界大会
世界大会にはフリーライターの中山智氏バスキュール社の西村真里子氏も同行して作成した記事があります
[3] “週刊アスキー 2013年8/6増刊号” p.11
[4] (a)白夜のサンクトペテルブルグで新世代の大会がスタートImagine Cup2013
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/156/156689/
(b)世界の学生たちが魅せた驚がくのソリューションImagine Cup2013
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/157/157872/
(c)運命の審査発表 栄冠はどのチームにImagine Cup2013
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/158/158195/
[5] 世界の若手エンジニア/起業家の祭典「イマジンカップ(Imagine Cup)」を通して
世界にチャレンジするグローバルスタンダードを学ぼう | TechWave
http://techwave.jp/archives/imaginecup_2013_in_russi.html
この著者の他の記事を読む
江見 圭司
Keiji Emi
  • 京都情報大学院大学准教授京都大学理学士同大学院修士課程修了(化学専攻)同大学院博士課程修了(人間環境学専攻)人間環境学博士
  • 元金沢工業大学専任講師

上記の肩書経歴等はアキューム25号発刊当時のものです