2012年度から日本の専修学校(専門学校)では初めて単位制を正式に導入したKCGに,2013年2月27日,全国第一号となる学生が入学した。日本最初のコンピュータ教育機関として1963年に創立し,創立50周年を迎えたKCGは,全国初の単位制の学生を誕生させたことで,日本の専修学校史,ひいては教育史にまた新たなページを刻むことになった。
入学したのは,中矢貴之さん(18)。コンピュータサイエンス学系の情報科学科で学ぶ。「伝統と実績のあるKCGで自由に学びたいと思い,単位制学科を選びました。情報システムやネットワーク関連を中心に勉強しながら自分のやりたいジャンルを見つけ,挑戦していきたいです」と抱負を語った。
日本の教育制度は,学年制を基本としながら単位制度が多少加味されたものだ。元来,単位制と学年制の共存はあり得ない。単位制の特長として,時期を問わず入学できることが挙げられるにもかかわらず,日本では「入学は4月」というイメージを持たれがちだ。KCGの単位制学科では,学年制の前期(4月),後期(10月)に加え,スプリングコース(2月),サマーコース(8月),ウインターコース( 12月)と年間5回の履修登録の機会ごとに入学を受け付ける。
専修学校への単位制導入については,「学校教育法施行規則及び専修学校設置基準の一部を改正する省令(平成24年文部科学省令第14号)」が2012年3月30日に公布され,同年4月1日から施行された。改正省令では,単位制を導入する理由として「多様なニーズに応じた,多様な職業教育が必要」と強調している。
この文科省の改正省令の施行を受け,全17学科でいち早く「単位制」を導入するとともに,入学生の卒業までの履修計画を策定して履修指導を担当する専任アドバイザーを配置した。
学びたい気持ちがありながらも何らかの事情で毎日学校へ通えない方や社会人でも,単位制であれば自分のペースで学び,卒業資格ならびに「専門士」「高度専門士」の称号を得ることができる。KCGは今後も,単位制の学生を幅広く受け入れていく計画だ。