医療ICT(情報通信技術)分野の教育展開を進める京都コンピュータ学院と京都情報大学院大学(KCGグループ)は2017年度,独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター(旧:国立京都病院,小西 郁夫病院長,京都市伏見区深草向畑町1-1)と産学連携協定を結んだ。今回の締結により,両者が医療ICT分野での研究開発および教育の推進に向け手を取り合っていく。
協定書は学校法人 京都コンピュータ学園(長谷川晶理事長)と学校法人 京都情報学園(長谷川亘理事長)がそれぞれ京都医療センターと文書で交わした。医療分野におけるICT化を担う人材の育成を目的に ▽医療・医療系科目担当教員(講師)の派遣・紹介 ▽学生インターンシップの実施 ▽医療情報等の集計・分析および共同研究等のための協力 ▽医療スタッフのICT教育・研修の場の開催-などを盛り込んでいる。
ICTはさまざまな産業の中核的存在になっているが,とりわけ医療の分野では医事会計システム,レセプトコンピュータシステム,オーダーエントリーシステム,電子カルテシステム,各部門システム,診療画像管理システム(PACS),診療画像解析や臨床データ解析,地域医療連携システム,遠隔医療システム等が普及するなど,ICT化が急速に進んでいる。しかし医療の現場では,医学・医療の基礎知識および医療情報システムの管理・運用とICTの両方を兼ね備えた人材が圧倒的に不足しているのが現状。これを受け,京都コンピュータ学院はビジネス学系(B学系)に応用情報学科 医療情報コース(3年課程)と医療事務学科(2年課程)を,京都情報大学院大学は医療健康プログラムを盛り込んだ次世代産業コースを開設し,ICT化された医療現場で活躍できる人材育成に力を入れている。
KCGグループは,ICTの幅広い活用に向け,2005年に自動車とICTを結びつけた自動車制御学科を京都コンピュータ学院に日本で初めて開設したのを皮切りに,日本が世界に誇るポップカルチャーに着目し,京都情報大学院大学にコンテンツビジネスコース,京都コンピュータ学院にはIT声優コース,マンガ・アニメ学科を設けるなど,さまざまな取り組みを進めている。京都コンピュータ学院の応用情報学科,京都情報大学院大学の次世代産業コースには,医療のほかにフィンテック(金融IT),農業IT,海洋ITなどのテーマ・プログラムを設けている。
京都市伏見区にある医療機関。独立行政法人国立病院機構が運営する病院。旧国立京都病院。政策医療における内分泌・代謝性疾患の高度専門医療施設(準ナショナルセンター)として国立病院機構のネットワークの中心となっている。また,その他の政策医療分野においては,成育医療の基幹医療施設,がん,循環器病,腎疾患,感覚器疾患の専門医療施設。
■ 医療法病床数 | 600床 |
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■ 病室数 | 1人室 120部屋,2人室 15部屋,3人室・4人室 99部屋,5人室 1部屋, 6人室 1部屋 |
■ 救命救急センター | 30床,ICU 6床,NICU 6床,GCU 6床 |
■ 診療科 | 内科,外科,小児科,産婦人科,心臓外科,救急科など39科 |
■ 特殊外来 | 睡眠時無呼吸症候群外来,ペースメーカー外来,メタボリック症候群外来,禁煙外来など |
■ 教育研究機能 | 臨床研究センター,臨床研修指定病院・臨床修練病院,各学会認定専門医研修施設,附属京都看護助産学校 |