海外コンピュータ教育支援のボランタリー活動「IDCE」を進める京都コンピュータ学院は,2008年,創立45周年を記念してタンザニア,ウガンダ,モザンビーク,パプアニューギニアの4ヵ国に対し,パソコン寄贈と教育支援を中心とする文化交流を展開することになった。1989年から続けているIDCEの対象国はこれで22ヵ国となり,京都コンピュータ学院発の地球規模における教育の輪はさらに拡大する。
創立45周年記念式典および記念祝賀会には,本年度にパソコンを寄贈する4ヵ国や,これまでに寄贈した国々の大使に参列いただき,祝辞を頂戴した。
本学院による国際コンピュータ教育振興事業が,京都を日本情報文化発信の地として,文化の伝播という大きな役割を担いつつ,地球サイズの情報文化創造へと発展していくことに,本学院は大いなる意義と喜びを見出している。
1989年,KCG内に生まれ,現在継続実施中の海外コンピュータ教育支援のプロジェクト。学院の中古パソコンを途上国に寄贈し,これを利用して,途上国のコンピュータ・リテラシー教育の開発・浸透を現地教育省・科学技術省との協力において図ろうとするボランタリー活動。現在まで寄贈パソコン台数は3000台以上にのぼる。支援対象国はタイ,ガーナ,ポーランド,ケニア,ジンバブエ,ペルー,スリランカ,中国,ブルネイ,マラウイ,ナイジェリア,モンゴル,キルギス,ボスニア・ヘルツェゴビナ,エリトリア,これに技術指導のみの4ヵ国を含め,2008年度の支援を加えて合わせて22カ国に及んでいる。
東アフリカ最大の国。面積は94.5万平方キロメートル(日本の約2.5倍)。南緯1度から南に位置し,東はインド洋に面している。首都はドドマ。スワヒリ語と英語が公用語。人口は4043万人。KCGは,2004年に同国保健省に対しパソコン20台を寄贈した。そして2008年10月末に第2次支援としてパソコン50台をMuhimbili 大学へ寄贈した。ともにICT教育の普及と促進のために寄与している。
アフリカ東部に位置する共和制国家。面積は24.1万平方キロメートルで,ほぼ日本の本州と同じ。首都はカンパラで,人口は2990万人。前任の大使在任時よりプロジェクトは開始したが,内陸国であるがための高額の輸送費用の問題で滞っていた。しかし,IDCEの趣旨に賛同するKDDI株式会社様よりノート型パソコン25台の提供を受け,このプロジェクトが実現する運びとなった。寄贈パソコンはウガンダ大使館より,現地へ輸送され,地方の学校のICT教育に活用される予定である。
アフリカ大陸の南東の海沿いに位置する。首都はマプト。面積は80.2万平方キロメートル(日本の約2.1倍)。人口は2010万人。2004年,2008年にJICA専門家として京都コンピュータ学院教員が派遣され,同国で初めてのICT教育機関を設立すべく,そのカリキュラム設計・教員養成の支援を行った。現在,パソコンの寄贈プロジェクトが進行中である。
南太平洋にあるニューギニア島の東半分及び周辺の島々からなる。首都はポートモレスビー。国土面積は46.2万平方キロメートル。人口は618.7万人。Goroka 大学より2008年にパソコン寄贈のリクエストがあった。同大学で働く日本人ITマネージャーを介して寄贈準備を進め,2008年度中に53台のパソコンの寄贈を実施する。
モザンビーク共和国大使,Mr. Daniel Antonio に代わり,お祝いの言葉を述べさせていただきます。京都コンピュータ学院の偉業は今まで積み重ねてこられた活動の証です。情報工学の分野で,日本や世界全体のコンピュータ教育の進歩に尽くしてこられた日本の傑出した教育機関として,京都コンピュータ学院が今までに蓄積してこられた経験と知識は,将来のさらなる成功につながるものと思われます。世界の情報工学の新たな未来のために大いに貢献することのできる人材を育てるという使命を果たすことによって,系統的に,期待を上回る活躍をなさっています。
日本におけるコンピュータ教育の指導的立場にある京都コンピュータ学院と,パプアニューギニアのGoroka 大学の結びつきは,我が国にとって非常に光栄なことです。Goroka 大学は新設大学です。大学の創設は展望と重労働が必要であり,携わるすべての友人やパートナーの忍耐が必要です。Goroka 大学にコンピュータを寄贈いただき,あなた方の知識をパプアニューギニアの国民に分け与えていただいたことに感謝いたします。我が国の教育機関が,京都コンピュータ学院のような優れた教育機関から学ぶことは非常に多いと思います。将来も皆様と協力していけるよう祈っています。