京都情報大学院大学は,本年(2004年)1月末,日本最初にして唯一のIT専門職大学院として文部科学大臣の認可を得た。4月には第一期生を迎え,日本の高等教育の新しい歴史が始まった。
授業が軌道に乗った2004年6月4日には,京都コンピュータ学院京都駅前校6階ホールにおいて,諸大学の学長の皆様をはじめとする学界関係者,産業界関係者など多くの来賓のご臨席のもと,京都情報大学院大学開学記念式典が挙行された。
式典においては,まず本学の設置主体である「学校法人京都情報学園」長谷川靖子理事長より,本学設立の趣旨,教育理念が述べられた。「従来の大学と業界の乖離を改善すべく」,徹底して「『業界オリエンテッド』の視点・社会ニーズ」を重視し,「プラグマティズムに立脚した研究・教育」の実現を期すと宣言された。
続いて,萩原宏学長より,「本学が目的とするのは,情報関連分野において国際的に通用する高度で専門的な知識と能力を備え,企業における中核として活躍する人材を養成することであります」と,直截簡明,具体的にその教育目標が表明された。
昨年(2003年)4月に施行された専門職大学院制度下の最初の申請において,高度なIT専門家の育成を目指す専門職大学院は,「京都情報大学院大学」が唯一の存在であった。このことについて,来賓としてお越しいただいた同志社大学八田英二学長からは,「ここ京都の地において,日本最初のIT専門職大学院が開校される運びとなったことを,同じ京都に私学を構えるものとして,高く評価するとともに,心からお慶び申しあげる次第です」とのエールが贈られた。
本学の母体でもあり,関連校でもある「京都コンピュータ学院」は,日本最初のコンピュータ教育機関として1963年の創立以来41年にわたり,プラグマティズム思想に基づき,社会のニーズに応えうる職業人の育成に邁進してきた。この教育理念を同じくする京都情報大学院大学と京都コンピュータ学院は,今後,緊密なネットワークをもって,Collegeの集合体としての,本来の意味におけるUniversityを形成し,理想の教育を実践してゆく。
この日,グローバルな教育機関を目指す本学の首途にふさわしく,壇上には,KCGグループと親交を結んできたロチェスター工科大学やコロンビア大学からの来賓,並びにコンピュータ教育支援活動を通じて交流を深めているアジア・アフリカ7カ国の大使など各国の来賓が列席され,日本最初のIT専門職大学院の誕生と,KCGのパイオニアスピリットを讃えるスピーチが続いた。。
式典には,京都情報大学院大学の栄えある第一期生の学生たちも参列していたが,来賓諸氏からいただくスピーチの一つ一つを,自分自身に宛てて発信されたメッセージとして受け止めていたようであった。皆,上気して晴れやかな顔であった。
最後に,司会を務めた学校法人京都情報学園長谷川亘理事の,「小さな大学ではありますが,ダイヤモンドのごとき強靭さをもって,世界に通用する真の大学たらんとその志は高く,学校創造に邁進いたす所存です」という意気軒昂たる挨拶により,高等教育の改革を目指す決意を表明して式典は終了した。