1993年1月中旬に,ハワイ大学の「情報及び計算機科学教室」のA・ルー博士主催のもとで,「第5回ベルマン・コンティヌーム・国際ワークショップ」が米国ハワイ州のワイコロアのホテルで開催された。筆者及び米国アリゾナ州立大学のA・ワン博士は二編の共著論文を発表した。総数30編近くの申し込みが,米国,欧州及びアジアからあり,活発な発表討論があった。且つ発表論文は米国パーガモン社発行の”Computers Mathematics and Applications”誌(第27巻,9及び10号)に発表された。
1992年5月,東京大学生産技術研究所の高木教授を代表者として,日本学術振興会の「二国間国際共同研究協定」に基づいて,ロシア科学学士院と「宇宙からの画像処理:正及び逆問題」の研究が開始された。当該共同研究者は筆者と金沢工業大学情報科学研究所々長の川田教授の2人である。ロシア側の研究者はサンクト・ペテルスブルグ科学学士院のV・ソボレフ博士,O・I・スモクティ博士,及びモスクワ学士院のV・サヴィニーク博士であった。1993年7月上旬,日本側の3人,即ち,高木,上野及び川田の三委員が,サンクト・ペテルスブルグ科学学士院を訪ね,共同研究の成果について会談し,研究成果の交換をした。
更に同年8月,東京の工学院大学において,IEEE(国際電気電子工学協会)のIGARS’93(1993年度地球科学及び遠隔探査国際会議)が開催された。これに対し,筆者,スモクティ博士及び川田博士の3人,及び筆者,東保所員及び米国アリゾナ州立大学のA・ワン博士の3人の共著論文の2編が発表された。更にシステム制御情報学会,日本リモートセンシング学会及び日本写真測量学会等の1993年秋季学会に我々の共著論文を発表した。
1994年2月,日本学術振興会の外国人招へい研究者(短期)事業に基づいて,オーストリア・ウィーン工科大学及び米国サンタフェ研究所のJ・キャスティ博士は約3週間日本に招待された。その間,東大,京大,阪大,九大,大分大学,電気通信大学及び本学院においても,「認知の科学」を主体として,一連の講演を施行した。本学院においては,京都駅前校の大講堂において,午前及び午後,各1時間半にわたり,「人工生命」について,彼は興味深い講演をした。東保所員の通訳のもとに,多くのスライドを使用し分かり易い講演であった。
なお,同月中旬より約1ヵ年の予定において,国際協力事業団専門家長期派遣員として,東保所員はポーランド日本情報大学の設立に参加した。現在同大学において教鞭をとっている。
また,3月中旬,東大生産技術研究所において,生研フォーラム,第2回「宇宙からの地球環境モニタリング」が開催され,東保所員との共著による「散乱大気層による探照燈光の拡散反射について」を発表し,参加者との活発な討論が行われた。
米国アジィソン・ウェズレイ社発行の”Applied Mathematics and Computation”誌の特集号を,同誌編集主幹のJ・キャスティ博士の好意により,大分大学の杉坂教授と筆者の共同編集により発行することになった。6月上旬迄に集まった論文数は9編,その内訳はロシア科学学士院から2編,米国のカリフォルニア州立大学から1編,残りの6編は,東北大,慶応大,大分大,金沢工大及び本学院からの寄与であった。特集号の主題は,「高知能系と革新的計算についての国際的ワークショップ」である。
更に7月下旬には,「MUSCLE7」なる多重散乱問題の国際研究集会が千葉大学において開催された。筆者はその開催委員会に参加した。その結果,金沢工大,岐阜大学,近畿大学等における筆者の共同研究者の参加を得た。
7月31日から8月2日にかけ,「第6回ベルマン・コンティヌーム・国際ワークショップ」が東京都立技術大学において開催された。参加発表論文数は30編余であり,筆者は,米国カリフォルニア州立大学のカギワダ博士,アリゾナ州立大学のワン博士及び金沢工大の川田博士との四編の共著論文を発表した。筆者は本学会の組織委員として参加し,MUSCLE7の場合と同様,岐阜大学,近畿大学からの研究者の参加を得た。
それらの論文は前回同様,米国パーガモン社発行の”Computers Mathematics and Applications”誌に発表予定である。
自8月8日至8月12日,米国カリフォルニア州パサデナ市において「1994年度国際地球科学及び遠隔探査国際会議」(IGARSS’94)が開催された。当研究所からは,米国アリゾナ州立大学のワン教授及び筆者と東保所員の共著一編を発表した。
なお,1994年の日本リモートセンシング学会,及び日本写真測量学会の春季及び秋季学会には,東保所員との共著論文を発表した。
また10月3日から4日にかけて,東大生産技術研究所における「東大生研フォーラム『宇宙からの地球環境モニタリング』」に東保所員との共著1編を発表した。
更に,11月中旬,川崎市における「雑音及び騒音除去の国際会議(ISNCR)」に東保所員との共著論文を発表した。
上記の肩書・経歴等はアキューム2号発刊当時のものです。