日本最初のコンピュータ教育機関として設立,今日に至る45年の間に蓄えてきたITに関する知識と教育のノウハウを少しでも還元しようと,KCGは高校との連携事業などの取り組みを進めている。これまで京都府内外の高校に対し,「情報科目」の授業担当や,CG関連の出講義などを実施してきた。これらの取り組みをより進めようと2008年,KCGは京都府内2高校との間で学校間連携事業協定を締結した。提携によりKCG側はITに関する特別講座や出張授業を展開するなどして,同校生徒に専修学校における高度な教育に触れる機会を提供,双方でさらに連携のあり方を模索しながら,高校生たちの能力伸長と適性に合った進路選択促進に向け尽力していく。
学校法人洛陽総合学院・洛陽総合高等学校(京都市中京区西ノ京春日町8)との連携事業協定は6月4日,洛陽総合高等学校第一会議室で調印された。同校の土屋順敬理事長・校長と,京都コンピュータ学院の長谷川亘統括理事が協定書に署名。長谷川統括理は「技術・理系離れが顕著な若い人たちに対して輝ける夢を与えるとともに,IT分野の慢性的な人材難を克服できるよう少しでも役立ちたい。本質を重視した教育を進め,過程・結果を分析しながら新しい時代を築いていきたい」とあいさつ。土屋理事長・校長は「わが校のモットー『実社会で生きる力を育む』を実現するうえでも,今回の提携は大変有意義。より実践的・専門的な授業を受けられる高校として,大きく世界に羽ばたく人材を育成していきたい」と話した。
京都市内で唯一の「総合学科」を持ち,独自のカリキュラムにより生徒の進路を見据えた授業を繰り広げている洛陽総合高等学校から2007年6月,より専門的で実践的な授業を展開したいと,KCGに,特に「情報メディア系列」の生徒向け講座の開講依頼があった。以来,双方の間で連携に向けての協議を進め,調印に至った。10月には洛陽総合高校のオープンキャンパスで,KCGの講師が模擬授業を行うなど,交流が深まっている。
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KCGが学校法人聖カタリナ学園・京都聖カタリナ高等学校(京都府南丹市園部町美園町1‐78)と学校間連携事業協定を結んだのは11月27日。KCG京都駅前校で調印式を執り行った(調印は同1日付)。京都聖カタリナ高校の小林豊校長と,京都コンピュータ学院の寺下陽一京都駅前校校長が協定書に署名,今後,人材育成に向けて両校が末永く交流を続けていくことを確認し合った。
式では両校の沿革や教育方針などについて紹介された後,小林校長,寺下校長が協定書に署名し握手を交わした。調印を受け寺下校長は「両校はこれまでにも交流があり,調印は中身があって形をつくるという理想的,実質的なケース。私学として教育に対する明確なビジョンがあり,その達成のため努力しているという共通点もある。教育は息の長い取り組み。永らく協力関係を続け,両校発展の契機にしたい」とあいさつ。小林校長は「約半世紀にわたって日本の情報社会をリードしてきた京都が誇る教育機関と連携ができ光栄。IT業界は人材が不足していると聞く。両校が協力関係を深めることにより,1人でも多くのよりよい人材を輩出していけるよう努めたい」と述べた。
京都聖カタリナ高校との交流は2007年9月,KCG主導により同校のコンピュータインフラを一新したのが始まり。その後,情報教育システム導入に関するサポートを進め,翌年6月下旬には,同校が2008年4月に新設した「普通科マルチメディアコース」の教育用設備を導入した。以来,双方の間で連携に向けての協議を進め,11月には京都聖カタリナ高等学校のオープンキャンパスで,KCGの講師が参加した中学生に対して模擬授業を行った。