KCGとKCGIの新しいCMが話題を集めている。KCGグループ創立50周年を機に一新,2012年末から放映されているこのCM,実は「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズなどで人気を呼ぶアニメーションなどの映像制作会社GAINAXが手掛けた。同社の武田康廣取締役・アニメーション製作本部長は,京都情報大学院大学の教授で,アニメーション関連の講義を担当している。
監督は山本沙代さん。人気アニメ「ルパン三世」の27年ぶりのテレビアニメ化として話題を呼んだ「LUPIN the Third ー峰不二子という女ー」(日本テレビ/2012年4ー6月放送)を監督し,第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の新人賞を受賞した,今最も注目されるアニメ監督だ。
イラストレーションを担当したのは,カリスマ的な人気を誇る小岐須雅之さん。ANNA SUI(アナ スイ)などのファッションブランドや広告,書籍などで活躍してきたイラストレーターで,鮮やかな色遣いがファンの心をつかんで離さない。
独特のナレーションはスティーヴ エトウさん。パーカッショニスト(重金属打楽器奏者)で,打楽器演奏だけでなく,ドラム缶や自動車のバンパーを金属管で叩く,ヴォコーダーを用いたボイスパーカッション,グラインダーで火花を散らすなどユニークなプレーが持ち味。
「古都・京都」「IT」「グローバル」。制作担当の話が持ち込まれたときに,この3つのキーワードがGAINAXから示されました。これを聞いて瞬時に,神様が神様を産み出すというイメージが思い浮かびました。ただ,15秒という限られた時間の中で,どのようにインパクトを出して表現していくのか,悩んだのも事実です。イラストは,画集を見て「これだ!」と感じ,小岐須さんに頼むことにしました。神様はそれぞれ,KCG,KCGIの学科を表しています。「デザイン神」「ビジネス神」「システム神」「ゲーム神」「エンジニア神」「国際神」「情報神」です。音は,「これを聞いたらKCGだ」というインパクトを求め,スティーヴ エトウさんに依頼しました。彼は京都や奈良のお寺などでライブを開いていることもあって,キーワードのひとつである「古都」の部分をうまく表現していただけると確信していました。このCM,ほかにも「発見」するところが盛りだくさん,一時停止して見ていただきたいですね。
これまでは,百貨店などファッション系の紙媒体での仕事が多かったのですが,TVCMなので「コマを動かす」挑戦をしました。7人の神様を描いたのですが,正直,「ビジネス」「国際」は,どのように表現するのか悩んだのも事実です。今回のイラストは自信作です