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Accumu 最新号・Vol.26-27

卒業生インタビュー

株式会社イーパス
株式会社シードバンク

ITを身につけた強み活かしKCGI時代に起業

河村 昌紀さん河村 昌紀さん

大学を卒業後メガバンクに就職しながらも「『自分はこれができる』というものを何か見つけたい」と一念発起し,4年間の銀行員生活に終止符を打ってKCGIへ。融資など法人営業を担当した経験をベースにITを絡めた起業を実現しようと志高く,貪欲にさまざまなジャンルの知識を追求,吸収。また,KCGIに多く在籍する実務経験が豊富な教授陣と,やり取りを繰り返しながら実践経営についての知識を着実に積み上げ,ビジネス開始のチャンスをうかがった。そして在学中,京都大学MBAの仲間6人とともに人材紹介の会社を起業,さらには微細藻類を研究する企業に経営戦略担当として招かれ事業ベースへの目処を立てるなど,KCGIで得たものを早くも活かし始めた。「楽しくてたまらなかった」というKCGIでの2年間は河村さんの将来展望に強い明かりを灯した。

メガバンクを退職して

銀行では融資など法人営業を4年間担当しました。業務を続ける中,フィンテックの進歩を目の当たりにするとともに,何か「自分はこれができる」というものを見つけたいと感じるようになりました。人生を一度リセットするため大学院で学ぼうと考えていたところ,自分が専門である経営分野の知識を活かしながら,文系理系にとらわれずITのことが学べるKCGIの存在を知り,銀行を退職して入学しました。家族も理解してくれました。「未来IT人材育成奨学制度」が活用できるというのも,私の背中を押してくれましたね。

楽しくてたまらなかったKCGIでの学生生活

KCGIは学べるジャンルが幅広くあるのが特長だと思います。銀行勤務時代とは見える世界ががらりと変わりました。フィンテックや農業ITのほか,SAPなどにも目を向けるのと同時に,データベースやR言語,Pythonなど貪欲に知識を追い求めました。IT関連の講義は専門外なのでちゃんと理解できるかどうか心配していましたが,先生方が歴史からしっかり説明してくださるので,スムーズに吸収できました。また,民間企業で豊富な実務経験のある先生が多くいらっしゃったので,自分が目標とする起業に向けたアドバイスをいただく機会も得られました。オフィスに座って電話を待っているだけのことが多かった銀行員時代に比べ,KCGIでの2年間は日々充実し,楽しくてたまらないといった表現がぴったりでした。修了プロジェクトでは,商品情報をゲーム理論や金融の手法を使って示すというテーマに取り組みました。野菜や果物といった農業製品の流通において,マージンが高くなることなどから卸売市場の不要論が唱えられることがありますが,それらが農家から直で店頭に並べられることになるとどのような問題が発生するのか,単純にコストダウンするということにはならないのではないか,そのような内容です。

とにかく飛び込んで!

KCGI在学中に京都大学出身の仲間6人とともに,人材紹介の株式会社イーパスを設立しました。後継者のいない企業と,経営者になりたいがチャンスが無い人とをマッチングさせ,日本がこれまで築いてきた資産を守り続けていこうという事業趣旨で,私はシステム部門を担う取締役として事業開始に向けデータベースの作成など準備に追われています。ゆくゆくは経営者を目指すKCGIの学生を対象にしたいとの夢もあります。また,微細藻類を研究しながらもビジネスにまで枠を広げ切れないでいた株式会社シードバンクに経営戦略担当として招かれ,事業・財務戦略の策定と,データベース構築やウェブサイトの構築,顧客への提案を主に任されています。「微細藻類で世界を変えたい」,そしていずれは上場したいという大きな目標を掲げています。さらに日本文化関連の一般社団法人の情報管理部門でも力を注いでいます。今やビジネスでITが重要な役割を担うことは言うまでもありませんが,チャンスが限りなく広いというのは実感できます。ITはチャレンジするハードルがもともと低いですが,KCGIで学び自分のアイデアをITで具現化できるようになると,それが跨げるくらいまで下がります。私から後輩のみなさん方に「とにかく飛び込んでみて!」とメッセージを送ります。

河村 昌紀さん
株式会社イーパス(起業)取締役
株式会社シードバンク 経営戦略担当
京都情報大学院大学 2019年9月修了
京都大学 経済学部卒