京都コンピュータ学院は,その一貫した教育理念によって,情報教育分野で進化発展し続けてきた。その過程は,転変する環境の変化に一瞬たりともたじろがない,開拓の歴史であった。今や,学院は,そのフィールドを世界他国にまで広げ,各方面からは,熱い信頼と期待が寄せられている。1992年,学院は,創立30周年を前に,その理念と歴史を結晶させ,次なる構想へと飛翔するためのステージを築き上げた。
学院は,新校舎竣工を記念するとともに,未来へ向けての新たなる展開の第一歩として,国際的祭典「京都コンピュータ学院京都駅前校舎竣工記念フェスティバル」を開催した。この祭典は,学院が,その歴史によって持ち得た多彩なエッセンスによって構成され,真新しい校舎を縦横に駆使して行われた。2月4日から2月8日の5日間にわたり繰り広げられたこの祭典は,京都コンピュータ学院京都駅前校舎竣工記念式典・海外留学生研修オープニングセレモ二-から幕をあけ,連日,講演会,コンサート,企業展示会,学院祭等が催される中,10000人を越える来場者を集めた。
学院は,また,歴史的一歩を印したのである。
式典及び記念講演
-情報教育における国際交流-
2月4日から,2週間に亘ってポーランド,ガーナ,タイ各国からの留学生約40名を迎えてコンピュータ研修会が開催されます。それに先立ち記念式典に各国のプロジェクトの代表者をお迎えし,スピーチをいただきます。
「国際化社会における日本教育-世界の中の日本,期待される人間像をめぐって-」
ハーバード大学教授 ウィリアム・カミングス
カミングス教授が国際比較教育学の視点からボーダーレスの時代を語ります。「日本の大学教授」(至誠堂 1972),「日本の学校」(サイマル出版 1980),「アメリカ大学日本校」(アルク 1990)等の主要著書に見られるように,日本の教育システム研究の世界的権威です。
懇話会「情報教育の諸問題」
京都大学名誉教授・日本情報処理学会会長・京都コンピュータ学院講師 萩原 宏
京都大学情報処理教育センター助教授 藤井 康雄
京都コンピュータ学院教学部長 作花 一志
1992年度より中学校にて,1993年度より高等学校に情報処理教育を推進することが決定されております。新教材導入に関する諸問題,各教育現場において想起される問題点などについて,フリートーキングで,お話しください。
記念講演「宇宙創世のロマン-アインシュタイン宇宙より,ホーキング・佐藤の宇宙ヘ-
東京大学教授 佐藤 勝彦
アインシュタインによって初めて科学のメスが入れられた宇宙は,今やホーキング博士や佐藤教授らにより解明されつつあります。無から生まれインフレーション(急膨張)を経てビッグバンを起こした宇宙を提唱者自身がわかり易く解説します。
佐藤勝彦プロフィール
1945年,香川県生まれ。京都大学理学部を卒業,理学博士号取得後,デンマークの二ールス・ボーア研究所客員教授を経て,現在東京大学理学部教授。1990年仁科賞受賞。
<国除情報教育振興事業チャリティコンサート>「原田茂生バリトンリサイタル」
東京芸術大学教授 音楽学部学部長 原田 茂生
京都大学工学部出身にして,本学院創立者の親友の一人であった原田茂生が,創立者の遺志により新ホールのこけら落としのリサイタルを行います。
曲 目:シューベルト「美しき水車小屋の乙女」
ピアノ:岡原慎也
先端技術講演会 -日本電気株式会社-
記念講演「教養としての伝統文化」
慶應義塾大学教授 檜谷 昭彦
本学院文化顧問,檜谷教授が,現代人が教養として身につけるべき重要な伝統文化について語ります。
記念講演「京の伝統芸能 -能・狂言と歌舞伎-」
演劇評論家 権藤 芳一
文化・芸術の中心,京都に今も息づく伝統芸能について鑑賞の手引きを交えながら,演劇評論家 権藤芳一が語ります。
<国際情報教育振興事業チャリティコンサート>「狂言と邦楽の夕べ」
狂言:棒縛り他 茂山 千五郎(芸術院会員・人間国宝) 他
日本が誇る人間国宝茂山千五郎が至芸を披露します。
邦楽:老松他 福森登至子 福森文子 松村蓬盟 他
邦楽界の誇る名匠が琴と尺八で春の祭典をあでやかに飾ります。
先端技術講演会 -日本IBM株式会社-
先端技術講演会 -株式会社日立製作所-
先端技術講演会 -株式会社東芝-
先端技術講演会 -日本ユニシス株式会社-
<国際情報教育振興事業チャリティコンサート>「浦川宜也ヴァイオリンリサイタル」
東京芸術大学教授 浦川 宜也
1981年度より,本学院学生の情操教育のため音楽鑑賞を担当している世界的ヴァイオリニスト,浦川宜也が渾身の情熱的演奏で記念行事のフィナーレを飾ります。
曲 目:シューマン,モーツァルト,ラベル
ピアノ:岡本美智子
期間中,各コンピュータメーカーによる企業展示会が開催されます。
先端技術講演会とあわせて,情報収集にお役立てくだされば幸甚です。