春秋は夢幻の如く廻り来ては去り,螢雪を刻む幾万の志が集散し,本学院は創立25周年を迎えた。これを長寿と見るか若輩と考えるかは,それぞれの視点に帰する所であろうが,システムエンジニア,プログラマ養成の教育機関の歳次としては,いよいよ円熟期に至ったと言えよう。
また,過去25年の歴史の中で,本学院の輩出した卒業生は2万5千人を数える。2万を超える人を創り世に送り出した情報系のみの専門教育機関は,日本広しといえども他には無く,また世界他国に目を転じても,おそらく見当たらぬであろう。
わが国に於ては,ソフトウェアクライシスが叫ばれて久しく,現在日本各地に様々な情報系教育機関が設置設立されており,まさに玉石混淆の態を示している。かかる状況の下では本学院の特異性は,ややもすれば霧中に拡散するやも知れず,今ここに改めて小冊子を発行し,広く世に学院の学院たる本質を表明する次第である。
この四半世紀の間に,学院を巣立ち全国に散じた幾千万の卒業生諸兄姉よ,今一度その胸に学生時代を想起し,刮目して母校を思念し,再度その持てる力の一端をして,次なる学院の発展に心寄せていただきたい。
創立25周年という過去最大の節目を経て,新たなる次の時代へと,本学院は飛翔し始めているのである。
1989年3月16日
京都コンピュータ学院校友会
会長 長谷川 亘
上記の肩書・経歴等はアキューム22・23号発刊当時のものです。