萩原先生には,ご退官間際の1988年まで3年間,京都大学で大変お世話になりました。私自身ハードウェアが好きだったこともあり,研究室見学の際,部屋一杯に陣取った手作り計算機を見て何の迷いもなく配属を希望したことを今でも覚えています。修士課程在籍中は,京都コンピュータ学院の非常勤講師として,計算機ハードウェア,C言語,グラフィクス演習といった科目を担当させていただく機会も頂き,経済的に大いに助けられたことはもちろん,その後,企業エンジニアから教員に転身する際の礎になったと思い返しております。進路を決める際,萩原先生に企業か大学かとお尋ねしたことがありました。その時「大学っちゅうところは,ほんまにどうしようもないところや。企業に行ったほうがええ」とお返事を頂きました。大学をとりまく環境が厳しくなる中,日々実感しているところではありますが,それでも,学生の研究発表を聞く度に,ここはため息をつくべきなのかしらんと,時折,当時の萩原先生の様子を思い出しながら,教育活動を続けているところです。萩原先生のこれまでのお導きに心より感謝し,安らかに永遠の眠りにつかれる事をお祈りいたします。