ITは社会生活の隅々まで行き渡り,人々の仕事のしかたも変わりつつある。
声優という仕事について考えてみると,声優を目指すには,発声法と演技,そして日本語の読解の練習が必要だ。しかし現在は,音声がデジタル化され,データとして加工されるのが当たり前となっている。「初音ミク」に代表されるボーカロイドは,声優の声がデジタル化され,コンピュータで加工された代表的な例だ。
今後,声優も自分の声をデジタル化し,加工するスキルが求められるようになるだろう。そのような背景から,京都コンピュータ学院(KCG)は,音声処理技術を身につけた声優を育成する「IT声優コース」を,コンピュータサイエンス学系の情報処理科(全日制2年)に設置した。
発声法,演技演習,アクセントや文章読解の練習,ナレーション演習など,声優を目指すために必要な科目に加え,IT・コンピュータや音声処理・加工技術についても学びます。
「IT活用技法」「HTML・CSS実習」「計算機システム概論」など
「Webメディア活用技法」「アフレコ実習」「PV制作実習」「デジタルサウンド制作実習」など
など, さまざまなチャンスが!
「初音ミク」の生みの親,クリプトン・フューチャー・メディア(株)の伊藤博之社長はグループ校・京都情報大学院大学(KCGI)の教授。
KCGはコンピュータサイエンス学系の情報科学科,メディア情報学科,情報処理科に「マンガ・アニメコース」を新設する。ドローイング,色彩レイアウトや各種ソフトウェアの使いかたを基礎からしっかり学んだ上で作品制作に取り組み,アニメーターやイラストレーターなどを目指すカリキュラム。
KCGとKCGIは,西日本最大級のマンガ・アニメの総合見本市である「京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)」を京都市などと共催し,日本のマンガ・アニメ業界の発展に注力している。今後は,2013年9月に設立された「京都マンガ・アニメ学会」における活動も見込まれる。
KCGのグループ校,京都情報大学院大学(KCGI)は,コンテンツビジネスコースを設置している。アニメーションをはじめ,スマートフォンコンテンツや電子書籍コンテンツを開発しながら,ウェブビジネスとして成立させるためのビジネスモデルなど,多様な研究テーマに取り組んでいる。
『天元突破グレンラガン』の(株)ガイナックス取締役
武田 康廣 教授
武田教授は「アニメ企画・製作・プロモーション特論」の講義を担当している。KCGの学生も聴講可能で,毎回多数の受講者を集める人気講座だ。