創立45周年記念行事を飾る記念狂言会が10月29日午後六時から,京都コンピュータ学院京都駅前校大ホールで開かれ,校友(情報処理科卒)で狂言界の若手ホープとして活躍中の茂山茂さんらが伝統芸能を熱演,訪れた多くの人たちは古典の上質な笑いを堪能した。
出演したのは茂山茂さんのほか,茂山正邦さん,茂山逸平さんら5人。公演の冒頭,茂山茂さんがあいさつに立ち,自己紹介や,狂言の楽しみ方を説明した。
演目は「附子(ぶす)」「梟(ふくろう)」の二題。洗練された台詞や所作による絶妙な掛け合いで会場は笑いに包まれた。
茂山茂さんは,京都大蔵流狂言師・茂山正義氏(現十三世千五郎)の次男。
11月2日には同会場で記念音楽会があり,上村昇さん(チェロ),岸邉百百雄さん(ヴァイオリン),阿部裕之さん(ピアノ)の3人が,モーツァルトのピアノトリオ,シューベルトのアルペッジョーネソナタなどを演奏し,45周年に花を添えた。
1976年,京都大学大学院修士課程修了。京都大学助手,東北大学助教授,岡山大学教授を経て,1995年より京都大学大学院電子通信工学専攻教授。現在,同大学院情報学研究科知能情報学専攻教授。2002年学術情報メディアセンター長,京都大学評議員,2004年情報環境機構長,工学博士。国際パターン認識連合,情報処理学会,電子情報通信学会フェロー。日本学術会議連携会員。
創立45周年記念講演会の第一弾は11月5日,京都コンピュータ学院京都駅前校大ホールで松山隆司・京都大学大学院情報学研究科教授が「エネルギーの情報化」と題して講演し,自らの研究の成果と今後の見通しを披露した。情報技術活用の目的として松山教授は「今は『安定して機能する社会基盤をつくるため』という時代です」と前置き。今後,技術活用が拡大するジャンルのひとつとして「エネルギーの情報化」を挙げた。
「省エネルギー,CO2削減を実現するには,一般家庭の電力に目を向けなければならない」とし「電力にも双方向でやりとりができるネットワークづくりが必要」と強調。聴講した学生に「これからは情報技術が社会の基盤をつくる上で重要。KCGでしっかり学んでほしい」と呼びかけた。
1947年,京都大学理学部物理学科卒業。京都大学科学研究所研究員,京都大学助手(化学研究所),東京大学助教授(原子核研究所),東京大学教授(同),国士舘大学教授(情報科学センター長)を歴任。東京大学名誉教授。理学博士。元・京都コンピュータ学院情報システム開発研究所所長。
12月5日には同会場で,小亀淳・東京大学名誉教授が「鏡の中の右と左」のテーマで話した。
小亀名誉教授は「鏡像(鏡に映った映像)では上下は逆にならないのに,左右は逆になる。その理由には,いくつかの説があるが今なお議論がなされている」と説明。実物と鏡像を比べた例を出し「例えば矢印と文字が記された看板は,鏡像で,字は左右逆になるが矢印は逆にならない。すなわち『鏡では左右が逆になる』と言い切るのは無理がある」と指摘するなど解説した。
創立45周年スペシャルプレビュー「スパイダーウィックの謎」
「ユビキタス社会でのUサービスにおける情報セキュリティについて」(10月30日まで)
松山隆司 京都大学大学院情報学研究科教授「エネルギーの情報化」
小亀淳 東京大学名誉教授 元・京都コンピュータ学院 情報システム開発研究所所長「鏡の中の右と左」