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Accumu Vol.7-8

漢詩「惜花」「梅雨書懐」

萩原 宏

惜花

桜花萬里映晴空   桜花万里,晴空に映じ,

飛雪紛々江上風   飛雪紛々たり,江上の風。

流水悠々逐春去   流水悠々として,春を逐ひて去(ゆ)く。

人間眞意在其中   人間(じんかん)の眞意,其の中に在り。

 

梅雨書懐

細雨濛々懶出門   細雨濛々として門を出ずるに懶(ものう)し。

小庭寂漠緑陰繁   小庭寂漠として緑陰繁(しげ)し。

焚香遣悶冥々裡   香を焚(た)き悶(もん)を遣(や)る冥々の裡,

閑坐敲詩至楽存   閑(しずか)に坐(ざ)し詩を敲(たた)けば至楽存す。

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萩原 宏
Hiroshi Hagiwara
  • 京都情報大学院大学初代学長(~2008年3月),学事顧問,名誉学長
  • 京都大学工学部卒
  • 工学博士
  • 元龍谷大学理工学部教授
  • 元社団法人情報処理学会会長
  • 元日本学術会議会員
  • 京都大学名誉教授
  • 瑞宝中綬章受章

上記の肩書・経歴等はアキューム18号発刊当時のものです。