不変埋蔵の原理に基いて,希薄ガス体中における,平行均一入射光線束の多重散乱が系統的に解析可能となった。換言すると,この原理に基いて,二点境界値問題が,初期値問題として,解析可能となった。
更に,この理論は,系同定及びフィルター論に拡張応用されて,上記理論の一層の発展を伴った。
かくて,上記の系統的発展に基いて,R.ベルマン博士により動的計画法が形成され,近代自動制御理論に多大の貢献を与えた。
他方,彼の理論は米国保健省の援助の下で,多年に亘り,薬理動力学の名において,区画モデルとして発展した。特に癌化学療法の多区画モデルは彼の方法に依るところが多大であった。
上記の肩書・経歴等はアキューム2号発刊当時のものです。