KCG京都駅前校で保存,展示されている「NEAC-2206」が2011年3月,一般社団法人・情報処理学会から「情報処理技術遺産」の「認定機器」に選ばれた。KCG博物館からは2009年の「TOSBAC-3400」,「OKITAC 4300Cシステム」に続く3機種目の認定で,同博物館のコレクションが貴重でかつ,永遠に後世へ残しておくべきものであることが改めて証明されたといえそうだ。また,コンピュータ博物館の構想を描き実現に向け尽力しているとして,同学会はKCGの長谷川靖子学院長に感謝状を贈った。
情報処理学会の解説によると,NEC(日本電気株式会社)製の「NEAC-2206」は,コアメモリを,内部記憶や入出力,補助記憶装置の制御にも多く用い,これら周辺装置を簡単化するとともにデータ伝送能力の向上,フォーマット制御の電子化を実現。論理回路素子に従来の再生増幅器のほかに無遅延増幅器,非論理単純増幅器を開発し,並列演算,高速化に必要な複雑な論理回路設計を可能とし,命令語を1語1命令として複合命令,修飾指定の多用によるプログラムステップ数の縮小,さらに旧来機「NEAC-2203」で開発した割り込み機能を発展させ,多重プログラミング,リアルタイムの処理機能を充実した。
この機器は,KCGが過去の貴重なコンピュータ機器を保存,展示しているということを知った大阪大学から,2009年夏に寄贈を受けた。