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Accumu Vol.28

Accumu Vol.28

  「長谷川繁雄初代学院長と京都大学-理念の源流を探る-」閑堂忌記念講演 田中 智子 京都コンピュータ学院創立者である長谷川繁雄初代学院長の命日「閑堂忌」の2021年7月2日,京都情報大学院大学非常勤講師でもある田中智子・京都大学大学院教育学研究科准教授(現在教授,教育史)が,標記の演題で記念講演された。
  日本のコンピュータ発展の歴史をひもとく 発田 弘 一般社団法人情報処理学会の副会長を務めた発田弘・元同学会歴史特別委員会委員長が,デジタル庁が新設した「デジタルの日」に賛同してKCGグループが主催した記念講演会で,わが国のコンピュータ発展の歴史を解説された。講演では,京都コンピュータ学院(KCG)が1963年の創立以来使用してきた機器を保存・展示しているKCG資料館が「分散コンピュータ博物館」の全国第一号認定を受け,その保存機器が情報処理技術遺産に認定されていることの意義などについて語られた。
  初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性 伊藤 博之 バーチャル・シンガー「初音ミク」の生みの親でクリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役の伊藤博之氏は,KCGIの教授を務める。次代のIT業界を担うKCGグループの全学生を対象とする特別講義を2022年1月,オンラインで開講。「初音ミク」誕生の経緯や成長,幅広い分野での活躍,音声技術・ライブ技術への取り組みなどを説明し,学生たちのIT学習意欲に刺激を与えた。
  無国籍の娘たち~日本とアメリカの法律の狭間で 土持 ゲーリー 法一 アメリカでの留学・研究生活が長い土持ゲーリー法一・京都情報大学院大学副学長が若かりし頃,日本で生まれたばかりの長女と次女に米国籍を取得させた際の“事実は小説よりも奇なり”そのものの貴重な体験と経緯をつづった「ノンフィクションドラマ」。軽妙な文章の中で,日米の国籍取得をめぐる制度や文化の違いも指摘する。
  スーパーコンピュータ「京」 千葉 博人 KCG資料館に2021年,国立研究開発法人 理化学研究所が神戸市中央区の計算科学研究センターに設置・運用していたスーパーコンピュータ「京(けい)」のパネルとシステムボードが,同センターの最寄駅にあたる神戸新交通ポートアイランド線「京コンピュータ前駅」の銘板とともに寄贈された。「京」は計算速度の性能ランキングで世界一位を獲得するなど広くさまざまな分野で活躍した後,2019年8月30日にシャットダウンしてその役目を終え,「富岳」に後進を譲ったが,コンピュータ関連の貴重な機器を多数有する国内屈指の施設と評価されるKCG資料館に関連品が保存,展示されることで,これまでの偉業が長く後世に受け継がれることになる。KCG資料館の千葉博人館長(KCGI教授)が「京」について詳しく解説する。
  エアロゾルと地球環境 向井 苑生 地球規模で環境破壊が進行する中で,最も関心の高い地球環境問題である温暖化予測の不確定要素として脚光を浴びるエアロゾル。NASA/AERONET(Aerosol Robotic Network)の大気集中観測として,地球環境リモートセンシング研究グループ (REESIT)が2020年 3 月から 2021 年 11 月にかけ日本アルプス域で実施した集中観測「DRAGON/J-ALPS」の中心メンバーである向井苑生・京都情報大学院大学教授が,観測の経緯とともにエアロゾルと地球環境について解説する。
  銀幕のクリスマス革命―山下達郎『クリスマス・イブ』(1983年)と映画『君は僕をスキになる』(1989年) 長谷川 功一 山下達郎『クリスマス・イブ』(1983年)と映画『君は僕をスキになる』(1989年)
  科学教育における真と偽 藤原 隆男 地球科学の分野で,大部分の専門家が誤解したまま,まだ一度も学校で正しく教えられたことがないと思われる「潮汐(ちょうせき)力の原因」。宇宙物理学が専門の藤原隆男・京都情報大学院大学教授が,潮汐力を題材に,科学教育の難しさと誤解の解消について考察した。