Accumu Vol.11

Accumu Vol.11

2001年9月11日,米国同時多発テロで,WTCが倒壊。WTC内のKCGニューヨークオフィスも被災。9.11の迫真のドキュメント。ロチェスター工科大学とKCGの友好関係や,大学崩壊が進むなか,専門学校の役割に期待する教育評論家中村忠一氏の「大学に挑戦する専門学校」など高等教育制度とKCGの現在を特集。オー!マイキーなどで人気の映像作家石橋義正氏(KCG元講師)の紹介記事も。

  米国同時多発テロに思う 長谷川 靖子 「平和を希求し,明日の世界をIT技術の側面から支えるべく,その一助となりたい」 9.11,米国同時多発テロでニューヨークオフィスが被災したKCGの決意。
  京都コンピュータ学院ニューヨークオフィス崩壊当日 長谷川 亘 テロで被災した世界貿易センタービル内に日本の教育機関として唯一オフィスを構えていた京都コンピュータ学院。発展途上国への海外コンピュータ教育支援活動の拠点として機能していたIT時代を先取りするオフィスの形態など。
  米国同時多発テロの現場から ユウ・ジョンソン ニューヨークテロの難を危うく逃れたKCGスタッフが,9.11直後のアメリカの状況をレポート。米国同時多発テロにより,PTSD(心因外傷後ストレス症)となった人も多い。
  ハーバード・メモリアル・チャーチ 聖書の言葉と説教 2001年10月23日 ヒレル・レビン 「千畝」「反ユダヤ主義の経済起源」などの著作で有名な歴史学者ヒレル・レビン氏(ハーバード大学ユダヤ研究所所長)が,9.11後の世界において大切な,義によって支えられた恵みとまことの回復を唱える。
  我が都市 New York ロバート・カイザー 生粋のニューヨーカーであるロチェスター工科大学(KCGの姉妹校)名誉教授が,多様な人種が混在する自由な都市ニューヨークの魅力と9.11テロの衝撃を語る。
  米国同時多発テロから五ヶ月 デール・マン,ベティ・A・リアドン,メグ・ガーディニアー,ジル・ストラウス,トニー・ジェンキンズ,ハイッツァ・ワシヨ コロンビア大学教育大学院名誉教授からのメッセージ。米国同時多発テロの衝撃と平和な世界を作るために必要な教育について。
  大学に挑戦する専門学校―教育の危機・就職の危機こそ最大のチャンス 中村 忠一 既成の大学が崩壊するなか,専門性が極めて高い教育を行っている専門学校が大学に挑戦する時代であるとする教育評論家の中村忠一氏が,フランスのグランゼコールや戦前の旧制高等専門学校などを例に専門学校の可能性を述べる。
  Japan's System of Post-Secondary Education 長谷川 亘 Japan's education system was established around a group of public schools, strictly defined and strongly controlled by the state, however private education, which is more innovative and flexible, has also imparted a great influence on this system. This paper is an examination of the influence private education has exercised on higher education in Japan, through the lens of legislative history. It was written by Chancellor Wataru Hasegawa at the Graduate School of Education at Columbia University in the United States, where he received his master's degree.(印刷冊子未掲載)
  日本の中等後教育制度(高等教育制度)(邦訳) 長谷川 亘 日本の教育システムは,国による厳密な定義と強力なコントロールによって官公立の学校群を中心に確立されてきたが,より革新的で柔軟性をもった私学の影響も大きい。本稿は法制度史を通して高等教育における私学の影響を研究したもので,長谷川亘統括理事長が修士号を取得した米・コロンビア大学教育大学院で著した。(印刷冊子未掲載 )
  大学崩壊の時代―学校経営の視点から 長谷川 亘 学力低下,就職難,定員割など日本の既成の大学の崩壊の叫ばれるなか,教育改革を実現するために,教育機関を徹底した民営化し中世ユニバーシティのごとく自律させ,教育の成果で自由競争させるべきであるとの,学校経営の視点からの提言。
  21世紀のIT教育―本格的IT教育を目指して 石田 勝則 学生に生きる力を与える真のIT教育とは何か。日本の他の教育機関に先駆けて,本格的IT教育を実施する京都コンピュータ学院が21世紀の幕開けの年に発表したIT教育プラン。
  eラーニングの市場動向 青山 佳世 現在eラーニング(e-learning)が非常に注目されている。eラーニングには,企業内教育におけるものや,高等教育機関におけるものなど,様々であるが,その市場は2005年には全体で3000億円を超えるものになると予想されている。本稿では2002年現在で既に取り組まれているeラーニング導入例を概観しながら,その市場動向を探る。
  IT時代のプログラミング指南 江見 圭司 IT時代のプログラミングを,ソフト開発のスタイル・開発ツール・開発言語・ウェブ上の言語・データベースの開発・特定のアプリケーション上で動く言語などの項目に従い,手際よく解説。
  すばるをめぐって 作花 一志 浦島太郎が行った竜宮城は宇宙だった?天文学者である京都コンピュータ学院教員が,プレアデス星団,和名「すばる」をめぐる興味深い物語を語る,天文エッセイ。
  第5回JAHOU集会を終えて 川井 和彦 コンピュータネットワークを用いた高校生向けの科学教育プログラム,ハンズオンユニバース(HOU)を日本で推進するJAHOU。京都コンピュータ学院で開催された第5回JAHO集会の模様をレポート。
  KCGキャリア KCGグループに新しい関連会社が誕生。人材派遣事業を主たる業務とする株式会社ケーシージーキャリア。「コンピュータ業界で石を投げると卒業生に当る」と言われるKCG。KCGの卒業生が、キャリアアップを求めて転職を場合などに、同社は大きな力となる。
  学院NOW ITをKCGで学びたい留学希望者の増加に伴い,日本語能力の養成を主目的とする京都日本語研修センター(KJLTC)を開設。ヨーロッパ各国へのパソコン寄贈や,JICA委託事業の一環でのペルーからの研修生を受け入れ,KCG特別クラスを設置する姉妹校の中国天津軽工業学院からの学長来校などKCGの国際交流など学院の現在。
  初代学院長の思い出 ―思い出は尽きない 植原 啓之 初代学院長は話された,「京都コンピュータ学院は情報処理技術を学ぼうと志した人達が,お金を持ち寄ってできた学校です。何処からも援助を受けていないし,受けようとも思わない。援助を受ければ当然拘束を受けることになる」と。
  漢詩「冬夜偶成」 米田 貞一郎,萩原 宏 「冬夜偶成」
  古都逍遥 鴨川校洛北校周辺 米田 貞一郎 ユリカモメの舞う鴨川,下鴨神社や上賀茂神社など,京都市内でも特に風光明媚な京都コンピュータ学院鴨川校,洛北校の周辺を散策。
  コンピュータ・プログラムと著作権 仙元 隆一郎 アメリカのプロパテント政策の一環として,コンピュータ・プログラムは著作権法で保護されることになった。知的財産権の第一人者(京都情報大学院大学講師)がプログラムの著作権を基本から解説。
  コンピュータの省エネルギー化 安浦 寛人 九州大学システムLSI研究センター長の安浦氏(元京都コンピュータ学院講師)がコンピュータの電力消費を減らす技術についてわかりやすく解説。
  形状情報処理について 品川 嘉久 物の形がもっている情報を形状情報という。膨大な形状情報特異点と呼ばれるものの持つ僅かの情報で表し,記述したり認識したりする方法について解説。
  ランドマークベースの音声認識において最適な指標を求める方法 マーク・ハセガワ・ジョンソン 本論文は相互情報量を用いて,ランドマークに対する音声情報量の時間-周波数空間における分布を推定するものである。
  KCG RIT 姉妹校提携5周年を迎えて 長谷川 靖子 京都コンピュータ学院(KCG)とロチェスター工科大学(RIT)が1996年に姉妹校提携から5周年を迎え,KCG学生のRIT編入を進める新プログラム完成などさらに深まる交流の報告。
  KCGとRITの友好関係を築いて 長谷川 晶 名目だけの海外大学との提携などが多いなか,真の教育機関の国際交流を目指して,アメリカの名門ロチェスター工科大学と専修学校京都コンピュータ学院が締結した提携関係の意味について。
  妖怪乱舞 陰陽座 妖怪へヴィメタルを標榜するロックバンド,陰陽座。相反する個性がひしめき溶け合っているバンドのコンセプトについて,リーダーの瞬火さんにKCG軽音部顧問がインタビュー。
  学院を廻るアルティザンたち 映像作家 石橋義正 「狂わせたいの」や「オー!マイキー」などの作品で人気の映像作家,石橋義正さん(元京都コンピュータ学院講師)の作品の魅力と教員時代の思い出について語る。
  卒業生紹介 卒業生が最先端 藤井康彦さん 天候循環システムの開発など独自の技術力を有するゲーム会社,株式会社フューチャークリエイツの代表取締役藤井康彦さん(京都市立洛陽工業高校・京都コンピュータ学院卒)がゲーム開発において大切な点などを語る。
  アキューム11号(2002年発行)掲載広告