Accumu Vol.2

Accumu Vol.2

ボストン校開設や,タイ国を対象とする海外コンピュータ教育支援活動など,教育機関の国際化という課題に対応するKCG。地球温暖化にいち早く警鐘を鳴らしたジェームズ・E・ハンセン氏の講演の再録を含む,特集「地球環境の科学」。

  宇宙と俳句 品川 嘉也 脳の権威である筆者は,俳誌「雲雀」を主宰。二つの脳がそれぞれに宇宙を反映しているという意識論に基づき,自然や宇宙との一体感を作り出す俳句の魅力を語る。
  ボイジャー2号の見た海王星 岩崎 恭輔 ボイジャー2号が1989年に観測した海王星や衛星トリトンの様子を貴重な写真とともに,紹介。
  宇宙ジェットSS433 福江 純 わし座の中にあるSS433と呼ばれる奇妙な天体。それは,最近少しずつ明らかになっている宇宙ジェットと呼ばれる現象の一種である。
  京都コンピュータ学院による対タイ情報教育振興事業 長谷川 靖子 KCGは高度成長を成し遂げた日本が世界に対して果たすべき役割と責任を情報教育という立場において捉え,学院所蔵のパソコンを寄贈し,これを利用した情報教育振興事業を企画した。
  同志社の創立者 新島襄と現代 井上 勝也 幕末・明治の激変の時代を生きた同志社の創立者,新島襄。国際情勢が激動する現代,新島の主張した「自治自立の人民」「一国の良心」といった姿勢が,日本人に求められている。
  若き日の長谷川繁雄初代学院長 松村 隆雄 戦後の混乱の続く昭和24年に新制京大の文科系で机を並べて学んだ筆者が語るKCG長谷川繁雄初代学院長の思い出。
  1991年の惑星直列 作花 一志 1991年7月18日の日没後約40分間にわたって観察できる惑星直列。その様子を天文ソフトで再現。
  悪徳商法雑感 青木 一雄 キャッチセールスや恋人商法などの悪徳商法の実態と,そうした手法にかからないための方策を弁護士である筆者がわかりやすく解説。
  世のなか,非線形 東保 光彦 この世の中には,曲がりくねったものや,歪んだ非線形のものが多い。非線形システムの研究の最前線について語る科学に関するエッセイ。
  地球環境の科学 [京都コンピュータ学院情報科学研究所 監修]
  グリーンハウスエフェクト ジェームス・E・ハンセン,寺下 陽一 ゴダード宇宙科学研究所ジェームズ・E・ハンセン所長による,1990年時点で,地球温暖化についていち早く警鐘を鳴らした先駆的な講演の再録。地球環境問題を考える上での必読文書。
  マルチスペクトル衛星画像のコンピュータ解析による雲の研究 アルバート・アーキング,川田 剛之 地球温暖化により,気温がどの程度まで上昇するのかは不確定である。モデルが異なると結果も異なるからである。モデルが異なってしまう主な原因は雲の存在にある。衛星画像のコンピュータ解析による雲の研究。
  マングローブ ガラヤ・ワタヤコーン 塩生の木本種子植物で,遮蔽された海岸や河口汽水域の潮間帯に群生し,ユニークな環境を構成しているマングローブ。その有用性や今後の保存に向けた方策などについて。
  衛星による地球モニターシステム 高木 幹雄 衛星を用いた地球環境に関する学術的研究の例として,文部省科学研究費で進めている重点領域研究「衛星による地球環境の解明」について紹介する。
  東南アジアの環境変化の一断面 村井 俊治,越智 士郎,オケー・ローゼンクウィスト グローバルチェンジの総称のもとに騒がれ出している,発展途上国,とりわけアジアにおける熱帯雨林の破壊や砂漠化などの地球環境問題の実情について。
  京都コンピュータ学院NEWS  
  宇宙からの地球探査 上野 季夫 宇宙からの広域観測は,ランドサットやスカイラブなどの低高度の太陽同期型衛星や,高高度静止衛星によって行われている。貴重な画像データ資料とともに,宇宙からの地球探査について解説。
  人工衛星による地球画像の解析について 川田 剛之 人工衛星や航空機などに計測器を搭載し,地球表面の様子を遠くから探査する技術をリモートセンシングという。その技術の基礎的な解説と筆者が行っている研究の報告。
  宇宙からの地球環境監視 高島 勉 温室効果ガスの増加や,フロンによるオゾン層破壊など,地球環境を取り巻く状況は深刻さを増している。その変化を把握するための数値シミュレーションによるテーブル利用法などの観測手法について。
  レーザーレーダーによる地球大気内のエアロゾル等の探査について 竹内 延夫 レーザーを光源として大気中に浮遊する物体の形状や分布を測定するレーザーレーダーを使い,国立公害研究所で筆者が取り組んでいるエアロゾル観測の成果を報告。
  海洋探査と水色研究 向井 苑生 海洋探査衛星によって得られるデータは,海洋環境や資源に関する広範囲な情報を与えてくれる。人工衛星を用いた海洋探査のありさまについて。
  高分解能人工衛星画像の領域分割と認識処理 日下 迢 人工衛星による高い分解能を持ったリモートセンシング・データの解析において対象物の空間的な特徴を考慮した新しい解析方法が編み出されている。
  「天文学的数字」ほどの情報処理 市川 隆 天文学者は地上望遠鏡や宇宙望遠鏡で,毎日生み出される「天文学的数字」ほどの莫大なデータの山に立ち向かわなければならない。天文画像から情報を自動的に抽出するソフトウェアなど,天文学研究にコンピュータは欠かせない。
  情報処理教育について 藤井 康雄 大学や専修学校などの高等教育機関で実施されてきた情報処理教育の現状と課題をもとに,義務教育でのコンピュータ教育も含め,情報処理教育の今後を考える。
  バイオテクノロジーは何をもたらすか 西岡 一 1989年にKCGではバイオテクノロジーの講義を通年で開講。その担当者である筆者が,急成長して実用化時代を迎えた遺伝子工学に対する期待と問題点を探る。
  現代中国 コンピュータ産業の現状と展望 玄 光均 1978年の開放政策への転換以来,中国のコンピュータ産業は,めざましい発展を遂げている。その歴史と現状を吉林大学教授,元KCG講師の筆者がレポート。
  現代詩 草光 零太郎  
  京都を語る 坂東 温子 「古いものと新しいものが同居しているのが京都の魅力。新しいものと言っても単に流行を追いかけているのとは違う。流行の発信源になり得る可能性が京都にはある」歌舞伎舞踊の坂東温子さんが語る京都。
  京都コンピュータ学院ボストン校設立の旨 長谷川 靖子 国際性豊かな情報処理技術者の育成を理念として掲げ,KCGは,他の教育機関に先駆けて,MITやハーバードなどが位置する世界最高の学術都市である米国ボストン市に,KCGボストン校を開設した。
  第1回ボストン研修のはじまり -オープニングセレモニー 金澤 千穂 KCG国際情報処理科,第一回目の米国ボストン研修。KCGボストン校で開催されたオープニングセレモニーの模様。
  学院を廻るアルティザンたち(2) ロバート・メズベン KCGで英会話の講義を担当していた英国人画家,ロバート・メズベン。音楽を聴きながら絵を描くことの多かった彼の作品には,さびしさを超えた純粋なかなしみのようなものが定着されているようにも思える。
  今後の情報処理技術者に求められること 木村 嘉宏 システムインテグレータ企業の第一線で活躍する筆者が,その経験に基づき,良いSEに求められる資質は何か,今後の業界の変化などについて語る。
  THE AUDIENCE Yu Hasegawa "The Audience" by Yu Hasegawa (English)
  アキューム2号(1990年発行)掲載広告