Accumu Vol.12

Accumu Vol.12

2003年,KCGは創立40周年を迎えた。パイオニア精神溢れる40年の歩み。その伝統を糧として未来を切り拓く。IT成熟期ともいえるユビキタス・コンピュータ社会の到来とともに,新しい学問分野として誕生した「情報学」を特集。教育評論家 中村 忠一氏による「大学崩壊と専門学校の優位性」や,宇宙論の世界的な権威 佐藤 勝彦氏による「宇宙の誕生と宇宙の未来」など記事も充実。

  創立40周年記念の佳節を迎えて 長谷川 靖子 2003年,創立40周年を迎え,「コンピュータを万人の手に」との創立者の志に思いを致し,情報教育のフロンティアを切り拓く京都コンピュータ学院の決意。
  グローバルな教育ネットワーク 京都コンピュータ学院の建学の理念は,コンピュータやインターネットなどの先進技術の平和利用による人類全体の融和にある。そのための活動拠点としてKCGニューヨークオフィスやKCG北京オフィスを開設し,国際的なIT教育ネットワークを形成している。
  京都コンピュータ学院40年の歩み  
  京都コンピュータ学院 創立40周年記念行事スケジュール  
  私が見たモンゴル国 和久 美奈子 木とフェルトでできた移動式住居「ゲル」に暮らす遊牧の民。日本の約4倍の国土に,総人口約235万人が暮らす草原の国,モンゴル。KCGはモンゴルを対象に海外コンピュータ教育支援活動(IDCE)を実施。寄贈したコンピュータは,2003年2月に開設された「オープンジャパンセンター」(ウランバートル)に設置され,日本語とコンピュータの教育に活用される。同センターの開設記念式典に招待された筆者が見たモンゴル国。
  情報学 情報学科4年課程設置に際して 長谷川 靖子  
  デジタルシティと異文化コミュニケーション -社会情報学に向けて 石田 亨 デジタルシティは都市の情報を集積し発信すると共に,インターネットの中に市民の交流の場を作る試みである。デジタルシティ京都の共同研究プロジェクトを推進する筆者が,デジタルシティを通じた異文化コミュニケーションの可能性について論じる。
  IT革命のパラダイムシフトと情報処理教育 石田 勝則 「ユビキタス・ネットワーク」と「ユビキタス・コンピュータ」が渾然一体となって進展するユビキタス社会の到来。その根幹を支える技術を解説しながら,ユビキタス時代に対応した情報教育のあり方を考える。
  データベースの理論とその発展 寺下 陽一 E.F.Coddが1970年に発表した論文に端を発する関係型データベースの理論。それは厳密な数学理論に基づくものであった。その理論が如何に実用化されたのか。さらには,その理論の拡張である「推論型データベース」「オブジェクト関係型データベース」「データウェアハウス」などを取り上げながら,データベースの発展について概観する。
  情報学科が目指す教育 渡辺 昭義,松本 哲 京都コンピュータ学院が2003年,創立40周年を記念して設置した4年制の情報学科。 ユビキタス社会の新規ビジネスに対応する高度なソリューションエンジニアを育成する同学科のコンセプトについて担当教員が語る。
  The Internet2 - Dance in the Digital Age 植田 浩司 次世代インターネット技術に関する国際的な学会The Internet2において,京都コンピュータ学院と米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の共同研究の成果として発表された,最先端テクノロジーとアートの融合の試み「Humming Bird」の模様をレポート。
  学院NOW 中国北京市の国家図書館内にKCG北京オフィス開設,KCGから米国の名門ロチェスター工科大学に学部編入を目指すRIT学部留学コースの開設,ダイムラーなどドイツを代表する企業の人材開発担当者15名が表敬訪問,海外コンピュータ教育支援活動の一環としてスリランカにパソコン寄贈など。
  大学崩壊と専門学校の優位性 中村 忠一 大学全入時代を迎え,大幅な定員割れにより,多くの大学が廃校の危機に晒されている。そうした中,大学に挑戦をする優秀な専門学校が現れている。ロチェスター工科大学大学院との連携により,日本の大学以上のハイレベルな教育を提供している京都コンピュータ学院などがその例である。
  中国のIT産業の現状と大学教育 玄 光均 WTOに加盟した中国は大きな変化の中にある。吉林大学教授として情報教育を実践する筆者が,変わりつつある中国のIT産業と大学教育の現状について語る。
  日本語教育におけるオンライン教材の可能性 田渕 篤 KCGでは,留学生の準備教育機関として「京都日本語研修センター」を開設し,ITと日本語を学ぶ留学生を受け入れてきた。さらに効果的な日本語教育を実施するために,WebCTなどの管理ツールを活用したオンライン教育の可能性を考える。
  南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ 「国連・持続可能な開発のための世界会議」レポート 外山 聖子 グローバリゼーションの進む中,世界に広がる資源の不均衡な分配を如何にして軽減すべきか。2002年に南アフリカ共和国・ヨハネスブルグで開催された「国連・持続可能な開発のための世界会議」に参加した筆者によるレポート。
  宇宙の誕生と宇宙の未来 佐藤 勝彦 20世紀の物理学と天文学的な観測の進歩によって,宇宙はビッグバンという始まりからずっと膨張を続けていることが知られている。この膨張はいつまで続くのか,もしくは収縮に転ずるのだろうか?これらの疑問に答えるためにさらなる研究が進められている。宇宙論の世界的な権威による最新の研究動向の解説。
  歴史を揺るがした星ぼし 作花 一志 ヒミコが見た日食や,安倍晴明が見た天変など,古代中国王朝の始まりに見られた惑星聚合など,歴史上の記録や伝承に残る星ぼしの振舞いを天文学の最新の知見を活用しながら,コンピュータで再現する試み。
  携帯アプリ黎明期のゲームデザイン 遠藤 雅伸 2001年に携帯電話に端末単体でJavaアプリケーションが実行できる機能が搭載され,これを利用して様々な携帯用ゲームが作られた。これまでの家庭用ゲーム機と異なり,携帯アプリの場合は,ゲーム作りの仕方もやや異なる。その差異を明らかにしながら,携帯アプリのゲームデザインについて考える。
  40年前,日本人の大リーガーがいた!~マッシー村上~ 村上 雅則 イチローや松井など日本人大リーガーの活躍に日本中が沸く。しかし,今から40年以上前に日本人大リーガーがいたことはあまり知られていない。マーシー村上。スキヤキソングを口ずさみながら進んだ初めてのメジャーのマウンドなど思い出を交えながら,パイオニアスピリットを語る。
  古都逍遥 百万遍校周辺 米田 貞一郎 京都大学を中心として発展してきた学生街,百万遍。KCGの創立者,長谷川繁雄初代学院長も,京都大学で学んだ。百万遍の名の由来となった知恩寺には,初代学院長の墓所がある。先生の命日は「閑堂忌」と呼ばれ,毎年,多くの学生・卒業生が墓参をする。
  初代学院長の思い出 岸本 詳司 初代学院長は細部をとても大切にされる方でした。印刷原稿を先生に確認していただく際には,修正箇所が1mmずれていても,鋭く指摘されました。全くの無から,新しい学校を創造するという大事業を先生が成し遂げられたのは,徹底して細部にこだわる姿勢にも,その秘密の一端があったのではないかと私は思っています。
  漢詩「山寺観楓」「山寺観楓有感」 米田 貞一郎,萩原 宏 「山寺観楓」,「山寺観楓有感」
  ロバート・B・クッシュナー先生追悼 2002年11月7日,京都コンピュータ学園理事ロバート・B・クッシュナー先生が永眠されました。先生は写真工学の権威であり,永らくRITで教授を務め,RITが写真分野で全米No.1の地位を築くうえで大きな役割を果たされました。KCGでも先生は写真学等の講義を担当され,RITとKCGの架け橋としてご活躍されました。
  老師と大河 長谷川 亘 アラスカの大河でサーモン釣りに熱中をする写真工学の名誉教授と筆者。都会での焦燥感を忘れ少年の心を取り戻す。いつしか甦るのは,鬼籍に入った父と,釣りをした幼い日の記憶。感動のエッセイ。
  デジタルな音楽表現の長所と短所 池田 謙 美術や文学は表現されるものを概念へと置きかえていく芸術であるのに対して,音楽は言語化されないエネルギーそのものに近づく芸術である。独自のデジタルな音楽表現を追求する筆者による芸術方法論。
  学院を廻るアルティザンたち イラストレータ&CGデザイナー 今崎寛之 大学を卒業後,クリエイティブな仕事をしたいという思いから,もう一度デザインを一から勉強しようと思って,KCGに進学。現在,イラストレータ&デザイナーとして,書籍のカバーイラストやキャラクターデザインなどで活躍する今崎寛之氏。
  卒業生紹介 株式会社 CSK 松井博也氏 株式会社CSKで社内の専門技術者の育成に携わっている松井氏。社外でも多方面で活躍する松井氏の夢は,「情報技術の活用を通じて,すべての人が豊かになり,平和な社会の実現に貢献すること」。
  アキューム12号(2003年発行)掲載広告