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Accumu 最新号・Vol.24

訃報 米田貞一郎先生

100歳でもなお教壇に立たれた
京都コンピュータ学院洛北校・京都駅前校元校長 米田貞一郎先生安らかにお眠りください

京都コンピュータ学院(KCG)顧問で,百歳を超えられてもなお「特別講義」を担当して教壇に立たれていた米田貞一郎先生が2016年6月7日,ご逝去された。106歳だった。米田先生,ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。

長谷川亘・KCG統括理事長から百歳を祝う記念品が贈られた

米田先生は1909年12月11日,伊勢神宮間近の三重県宇治山田市(現在の伊勢市)でお生まれになり,京都帝国大学史学科(東洋史専攻)をご卒業されてから教育一筋。京都市内の各学校で教べんをとられた。当時,師範学校卒が大半を占める義務教育教諭に,京都帝国大学出身者が就くのは異例。米田先生は「大学に教職課程はなかったし,教育実習の経験もなかった。新聞に取り上げられるほど話題になったものです。でも,どうしても教師になりたいという思いがあり,迷いはありませんでした」と語っていた。

米田先生は教諭になりたてのころ,同和教育に熱心に取り組まれた。着任した小学校では児童に「差別に打ち勝て」と激励し続け,保護者や地区の方々からも愛される存在だった。日中戦争,第二次世界大戦で出陣後,京都市教育委員会に戻り,社会教育課長,市立堀川高校校長,指導部長などを歴任。拉致被害者・横田めぐみさんの母・さきえさんは,「米田校長」の2年目の卒業生。

市教委退職後,京都学園大学設立メンバーのひとりとして尽力。当時,同大学にコンピュータを指導する助教授として招かれていた長谷川靖子 現学院長と出会い,1987年4月,京都コンピュータ学院に入校された。洛北校校長,京都駅前校校長を歴任。その後顧問に就任され毎年,京都三大祭の葵祭・祇園祭・時代祭の時季に「特別講義」を担当,穏やかな語り口による分かりやすい解説に学生たちの人気も高く,京都コンピュータ学院の名物講義となった。


学生から人気のあった,京都三大祭をテーマにした「特別講義」

百歳のインタビューに答える米田先生

本誌『アキューム』に,「古都逍遥」と題して執筆を始められたのが2001年。校舎周辺を巡り,その歴史をたどる内容で,毎号に投稿され『アキューム』では最も人気のあるシリー ズだった。

「校舎周辺の逍遥を一巡した」との理由で,米田先生は2009年度版アキューム18号を最後に,筆を置かれた。それまでにご執筆,掲載されたのは計9回。米田先生が2009年に百歳を迎えられたお祝いとして,KCGグループは一冊にまとめた「古都逍遥〜百賀の祝い〜」を発刊。米田先生が,ことのほか愛される京都の地を歩んでこられた人生そのものが刻み込まれた一冊で,今でも学生の教科書に使われている。百歳の誕生日の2009年12月11日にはKCG京都駅前校で特別講義と「お祝いの会」を開き,米田先生のご家族や,先生がかつて所属した旧制三高,京都(帝国)大学,京都市教育委員会や京都学園大の関係者,京都市立堀川高校校長,それにKCGの教職員ら大勢が出席。米田先生の講演や,愛唱歌という「琵琶湖周航の歌」の出席者全員による合唱,パーティーが催された。

ここ数年はご自宅近くの施設に入られていた。新聞や本を読む毎日,施設職員や入所者から「先生」と呼ばれ親しまれていたという。お亡くなりになる3時間前まで新聞を読まれていたという米田先生。ご遺族によると,最期は静かに,静かに眠られた。

心よりご冥福をお祈りいたします。


百歳の誕生日に愛唱歌「琵琶湖周航の歌」を合唱