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Accumu Vol.13

NAIS発足式

NAIS(情報システム学会日本支部)が発足し,京都情報大学院大学内に事務局を開設。

大阪大学大学院情報科学研究科 薦田 憲久教授による記念講演
大阪大学大学院情報科学研究科
薦田 憲久教授による記念講演

国際的な情報系の学会であるAIS(Association for Information Systems 情報システム学会)の日本支部,NAIS(Japan Chapter of Association for Information Systems)が開設され,その発足式が,2004年8月10日,事務局の設置された京都情報大学院大学で催された。

AISは,本部を米国ジョージア州立大学に置き,オーストラリア・ニュージーランド,モロッコ,パキスタン,スロベニア,中国語圏,アイルランド,イタリアなどに支部を持つ国際的な学会であり(http://www.aisnet.org/),IS(Information System:情報システム)全般を研究領域とし,企業における情報システムの管理手法,企業内のIT活用に関する方法論,eビジネス/ウェブビジネスについての研究活動を展開している。会員は全世界で約4000名おり,今後のさらなる発展が期待されている学会である。

IS分野の研究者は日本国内にも少なからずおり,かねてより日本においてもAISの支部開設が望まれていた。しかし,実務との関わりが深く,かつ学際的な融合領域を扱うIS分野の特徴からして,いずれの機関においても日本支部開設のイニシアチブを取ることは難しい状況にあった。

このたび,IT応用技術者を育成する日本最初のIT専門職大学院である京都情報大学院大学の開学を機に,AIS本部の意向を受けて,同学に結集したIT/IS分野の教授陣が中心となり,全世界で13番目の支部となるNAISを開設した。初代の支部長は, 同学の応用情報技術研究科ウェブビジネス技術専攻主任の寺下陽一教授が務めることとなった。

NAIS初代支部長 京都情報大学院大学 寺下 陽一教授
NAIS初代支部長 京都情報大学院大学 寺下 陽一教授

発足式には,日本国内の会員のほか,IT関連企業からも多くの参列者があった。支部長挨拶で寺下支部長は,「今後の日本の産業界の発展を考えると,IS分野の研究活動は極めて重要といえます。NAISでは学界,産業界を問わず広く会員を募り,IS分野の学会として社会的な使命を果たす所存です」とその抱負を述べた。また,大阪大学大学院情報科学研究科 薦田憲久教授による「情報システム学への期待」と題された記念講演が行われ,「この分野においては,従来の理工系の研究者のみならず,人文系・社会科学系の研究者の参加も求められている」と「情報システム学」の学際性が強調された。

国際的な学会の支部事務局が学内に開設されたことの意義はきわめて大きく,今後,同学の教員のみならず,学生の教育研究活動にも様々な好影響を与えると期待される。