Accumu Vol.1

Accumu Vol.1

1963年,日本最初のコンピュータ教育機関としての創立以来,多くの卒業生を輩出してきた京都コンピュータ学院。創立25周年を記念して,校友会機関誌として発刊された「アキューム」。その記念すべき第一号。特集「一般教養としての宇宙物理学」や豪華執筆陣による特別寄稿「京都」など。

  創刊巻頭言 長谷川 亘 「アキューム」は,日本最初のコンピュータ教育機関,京都コンピュータ学院の25周年を記念し,KCG校友会機関誌として,広く世に学院の学院たる本質を表明するため発刊された。
  火星の極冠を計算する 岩崎 恭輔 京都大学花山天文台研究員にしてKCG講師の筆者が,45‐cm屈折望遠鏡を用いた火星の連続観測の結果に基づき,火星の南極冠,北極冠の変化を計算し解析する。
  火星の白雲の振舞い 斉藤 良一 火星の大気は薄いが,雲の活動は活発である。火星の砂嵐は黄雲と呼ばれ古くから知られている。それと比べるとタルシス高地やオリンパス山などに見られる白雲は振舞いが穏やかである。火星の白雲の振舞いの観測結果をレポート。
  恒星の固有運動 作花 一志 数十光年,数十万年のオーダーの空間的・時間的広がりの世界の中で恒星の太陽に対する運動を調べ,位置・距離・明るさの変化の計算結果を示す。
  独立独行のひと 初代学院長の思い出 牧野 澄夫 先生は,まさに手作りの学校創造に邁進されたといえよう。ユニーク,即ちこの世界にたった一つしかないもの,先生はそれをこよなく愛された。自助の精神こそ教育に最も重要なものと考えたKCG創立者長谷川繁雄初代学院長の思想について。
  初代学院長の思い出 1986年,ハレー彗星の去る歳,理想の学校創造に邁進してきた京都コンピュータ学院長谷川繁雄初代学院長が急逝した。卒業生や教職員など,初代学院長の謦咳に接した人々が思い思いに語る初代学院長の思い出。
  京都コンピュータ学院 創立25周年記念式典 1988年11月27日,国立京都国際会館にて,京都コンピュータ学院創立25周年記念式典と校友大会が開催された。業界や学界からの来賓のほか,日本全国から駆けつけた多くの卒業生で,大ホールは満席となった。
  25年! 熟成されたアイデンティティ 創立25周年記念式典学院長式辞 長谷川 靖子 本物の教育とは知識・技術を教え学ばせるだけでなく,未来に向かって燃える火種を学生の内部に投入すること。1976年,日本初の学生実習用のTSSシステム導入や,1983年,学生に一人一台のパソコンを貸与する世界初の試みなど,本物指向の精神で時代を切り拓いてきた京都コンピュータ学院の25年。
  上空700kmからの視点 創立25周年記念式典式辞 上野 季夫 人工衛星から撮った画像の補正,分類,解析を行うリモートセンシングの権威である上野季夫博士が自ら所長を務めるKCG情報科学研究所の特色について語る。
  京都コンピュータ学院は文化を創造する 創立25周年記念式典式辞 小暮 智一 京都コンピュータ学院は,創立以来,京都大学宇宙物理学教室と深い関係にある。京大理学部小暮智一教授が,「単なるコンピュータ技術ではなくて,その裏にある文化的素養,全文化的なものを創りあげていくという観点を有する」と,京都コンピュータ学院を称える。
  学院の慧眼に敬服 創立25周年記念式典式辞 萩原 宏 京都大学でコンピュータに関する正規のカリキュラムによる授業が始まったのは1961年。それから,2,3年後だと思うんですが,KCG初代学院長の長谷川繁雄さんが,コンピュータ学校を始められると聞いて実に驚いたのでございます。
  先取りした精神と熱い情熱 創立25周年記念式典式辞 治良 隆弘 初めてビジネスにコンピュータが使われたのは丁度33年前(1988年時点)。いかに京都コンピュータ学院の歴史が重いかということをひしひしと感じる。高度情報化社会のアキレス腱である情報技術者不足の解消に学院が果たす役割に期待する。
  国家試験合格者全国最優秀校としての事実 創立25周年記念式典式辞 神吉 茂春 国家試験合格者全国最優秀校としての事実や,卒業生の産業界での活躍が,京都コンピュータ学院の教育に対する熱意と努力の証し。学院のさらなる発展を祈念いたします。
  国際化に向かう先見性 創立25周年記念式典式辞 高野 美広 京都コンピュータ学院が,新しい技術や設備を導入して,国際化に向かっているのは,非常に先見性のあることで,私どもメーカーから見ても大変素晴らしいことだと考えています。
  創立25周年記念式典 記念講演(抄録) 松島 訓 京都大学宇宙物理学教室の卒業生の一人であり,天文学の権威として国際的に活躍する松島教授が,昭和25年の渡米以来の海外での研究生活について語る。
  創立25周年記念校友大会 朋友遠方より来る 米田 貞一郎 京都コンピュータ学院創立25周年の校友大会。「出席した人々は,全国各地からその数およそ1800名。アベックや子連れの方もありましたが,互いに「朋友遠方より来る」の歓びと懐旧の情にひたって,満堂に陽気がただよいました」。
  創立25周年記念校友大会 また楽しからずや 山村 充 学院での学生生活を懐かしみ,母校に戻ってきた多くの校友。1980年に京都コンピュータ学院に入学し,卒業後,教職員となった筆者が,創立25周年記念式典の当日の模様をレポート。
  創立25周年記念校友大会 協賛・協力企業一覧  
  コンピュータ技術とその国際性 寺下 陽一 コンピュータ技術は,もともと強い国際性を持っている上に,技術そのものに英語という言語の特質が埋め込まれているという,特殊性がある。コンピュータ技術の発展に伴って,コンピュータ技術者にとっては,英語の重要性は益々大きくなっている。
  宇宙からの気象観測 スーパーコンピュータとともに 高島 勉 技術のめざましい進歩に伴い,コンピュータを使った数値シミュレーション法で気象予測をする事が盛んになっている。人工衛星からのデータを,スーパーコンピュータを駆使して,気象予測に活用する筆者が,その研究について述べる。
  情報処理教育に求められること 長谷川 利治 「あたまと腕に情報処理技術を,心に哲学を」が情報処理教育の目的ではないか。情報化時代の到来が叫ばれ,情報処理システムが人間の思考体系に与える影響が大きくなっている現在,何が情報処理教育に求められているか。
  現代詩 早稲田大学同人誌サークル「行李」より 大隈 敦子,小林 弘明,湯下 秀樹,北山 花嵐  
  都の四季 和久 峻三 弁護士にして人気推理小説家の筆者がハッセルブラッドやライカを手に記録した,雪の金閣や,紅葉の法然院など京都の風景の数々を,味わい深い文章とともに。
  同志社(キリスト教学校)はこうして京都(神仏の街)に誕生した 近江 良 神社と寺院が日本でも最も多い宗教都市,京都。その地にキリスト教の学校を創る。同志社がキャンパスを京都に構えるにいたったその背後には,新島の盟友の山本覚馬の活躍があった。
  映画のような町 ロジャー・パルバース 極端にかけはなれたものが共存する町,京都。社寺や友禅などの伝統的な世界の一方で,思いもよらない超近代的な世界が意表をつく形で存在する。そんな時,この町は劇場になる。大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」の助監督にして作家の筆者が語る京都。
  ショートストーリー Tに捧げるサーモンピンク 由起 邦人 「5回の夏があって,5回の冬があって」「ほんまに,今でも未練たらたらやけど,あんたの言うように,生き方が違うたんやとゆう結論で,次の展開を待たなあかんのやと思う」痛切なラブストーリー。二人が交わす最後の会話。モノローグのような。
  小面(こおもて)と乙(おと)-能と狂言- 植原 啓之 能面を作ることを「面(オモテ)を打つ」という。能と深いかかわりを持ち,面打ちの経験もある筆者が,能面の魅力について語る。小面とは,年若い女の面。秀吉が所有していた「花・月・雪」三面の小面の話や,狂言の若い女性を代表する面「乙」について。
  対談「文化の交流」 三浦 雅士,浦川 宜也 世界的なヴァイオリニスト浦川宜也氏と,「ユリイカ」「現代思想」の伝説の編集長,文芸評論家の三浦雅士が,東西文化の交流について縦横無尽に語りあう,夢のような豪華対談。
  学院を廻るアルティザンたち(1)キャロリーナ・デ・ウァールト 色を重ねれば重ねるほど深い味が出てくる友禅染は,経験の積み重ねが,顔を作り上げていく私たちの人生とよく似ている。1980年に来日し,京友禅の魅力に出会ったキャロリーナ・デ・ウァールト氏(京都コンピュータ学院講師)の作品を紹介。
  情報と文化のメビウス環 長谷川 亘 コンピュータ関係という共通項を持つ人々にとって最重要のキーワード,「情報」と「文化」。両者は,二元論的相互補完を構成しているのではないか。情報と文化の関係を解き明かす論考。その第一部,文化の概念。
  学園歳時記 学院プロモーションビデオ制作日記 清水 良夫 KCGのプロモーションビデオ制作を担当した学院教職員にして元NHK番組ディレクターの筆者によるビデオ制作日誌。
  アキューム1号(1989年発行)掲載広告