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Accumu Vol.19

U-20プログラミング・コンテスト 米山さん(ゲーム学科2年生)が経済産業省商務情報政策局長賞に

米山さん

プログラミングやソフトウェア開発の技術を競う20歳以下を対象にした「U-20プログラミング・コンテスト」(情報化月間推進会議/経済産業省,文部科学省,内閣府,総務省,財務省,国土交通省主催)の最終審査会が2010年10月1日,東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で行われ,京都コンピュータ学院(KCG)ゲーム学科2年生の米山哲平さんが「経済産業省商務情報政策局長賞」を受賞した。受賞後,米山さんに開発の経緯などを聞いた。(聞き手,京都コンピュータ学院教員 豊嶋文香)

米山さん
 「U-20プログラミング・コンテスト」で
 経済産業省商務情報政策局長賞を受賞した米山哲平さん

KNOWALL LIBRARY 2.0
 米山さんの作品「KNOWALL LIBRARY 2.0」の画面

米山さんの作品
 展示された米山さんの作品

表彰を受ける米山さん
 表彰を受ける米山さん(右)
 =東京都港区・ANAインターコンチネンタルホテル東京

米山さん
 プレゼンテーションをする米山さん

豊嶋 受賞おめでとうございます。まず,今回「U-20プログラミング・コンテスト」に応募したきっかけを教えてください。

米山 実は,このコンテストに応募したのは今回が2回目なんです。高校(静岡県立浜松城北工業高校)の先生からこのコンテストのことを教えてもらって,高校3年生のときに応募したのが1回目。今年は年齢的に参加できる最後の年だったし,開発に掛ける時間を確保できてプログラムがある程度の形になったので応募しました。

豊嶋 受賞作品「KNOWALL LIBRARY2.0」についてですが,どうしてこのようなプログラムを作ろうと思ったんですか?

米山 「KNOWALL LIBRARY 2.0」はゲーム開発用のライブラリです。最初は,U-20プロコン用にゲームを作ろうと思っていたんです。でも,そのためには3DCGや幾何学,物理などを勉強しないといけません。そこで,それらの学習のため,さらには実際に3Dゲーム開発で使用するためにライブラリやエンジンを作ろうと思いました。 自分自身,ビジュアルが美しく幻想的な3Dゲームを作りたいので,グラフィック面ではオブジェクトの質感の表現や,綺麗な光の演出などの設定を簡単にできるようにしました。

豊嶋 最終審査会のデモンストレーションでも,非常に色あざやかなグラフィックが印象的でした。そういえば,実行委員(審査員)のまつもとゆきひろ氏から「ゲームを作ろうと思っていたと言う割に,このライブラリ愛は尋常じゃない」と面白い突っ込み(?)を受けていましたね。

米山 まあ,自分としてはゲームまで作る時間がなかったというのが本音です。

豊嶋 審査会はもっと堅苦しい雰囲気になるのかなと思っていましたが,発表者の皆さんも審査員の方もプログラミングが大好きなんだということがとてもよく分かる会でした。米山さんにとって,プログラミングの魅力とは何ですか?

米山 プログラミングを始めたきっかけはゲームを作りたいと思ったことです。もともと好きだったんですが,勉強する過程で3DCGを扱うようになって,その計算式がうまく立てられるようになるとますます面白くなって…という感じですね。

豊嶋 ところで,「KNOWALL LIBRARY2.0」の〝KNOWALL〟って何ですか?「全てを知れ」?

米山 自分がゲームを開発する上でほしい機能を全て知っていてほしいという思いから〝KNOW ALL〟という名前をつけ,多くの機能を実装しました。三次元グラフィックス,線形代数,幾何学,剛体物理等,多くの知識・技術が集約されています。

豊嶋 開発を始めたのはいつごろですか?

米山 1年くらい前です。プログラム自体は高校1年生のころからやっています。ゲームを作ろうという目標はその当時から変わっていません。

豊嶋 ライブラリが完成したことですし,次はいよいよゲーム開発ですか?

米山 実は,今年(2010年)の11月祭に向けて,Club-SP(※)で「KNOWALL LIBRARY 2.0」を使って3Dシューティングゲームを制作したんです。クラブのメンバーにライブラリとして実際に使用してもらって,改良点も見えてきたので,もっと納得いく形にしたいです。具体的には,プログラムの組みやすさをもう少し考慮したほうがいいと思っています。
※Club-SP:KCGのプログラム系クラブ

豊嶋 ライブラリ愛が頭をもたげているんですね。

米山 もちろん,ゲームも作ります。「こういうゲームを作りたい」というビジョンはもうあるので,それに関してはプログラムからコンテンツまで一人で作るつもりです。

豊嶋 完成したらぜひ遊ばせてください。さて,U-20は卒業して,年明けには成人式を迎える米山さんの20代の目標を聞かせてください。

米山 20 代…うーん。KCG卒業後は,自分の持っている技術や知識を活かしてプログラムを組む仕事をしたいですね。その上で,ゲームなど自分の作りたいものを自由に作っていければと思います。

平成22年度情報化月間 U-20プログラミング・コンテスト概要
応募期間:平成22年6月21日~8月13日
参加資格:日本国内に居住する,平成2年(西暦1990年)4月1日生ま れ以降の方
応募状況:【部門別】個人部門…50作品,団体部門…45作品
【ジャンル別】ゲーム…61作品,学習&教育…14作品,ユーテリティ…9作品,インターネット・通信…2作品,その他…9作品
【学校区分別】中学校…5作品,高等学校…19作品,工業高校…4作品,商業高校…5作品,高等専門学校…3作品,専門学校…44作品,大学… 15作品